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競馬

本格化の兆しみえるビッグシーザーが初の戴冠へ。父・祖父が制したスプリントGⅠの舞台、「集中力高まった」ブリンカー効果も後押し【高松宮記念】

三好達彦

2025.03.29

好調なビッグシーザーが初の戴冠を狙う。写真:産経新聞社

好調なビッグシーザーが初の戴冠を狙う。写真:産経新聞社

 本格的なGⅠシーズン到来を告げる春のスプリントチャンピオン決定戦・高松宮記念(GⅠ、中京・芝1200m)が3月30日に行なわれる。

 昨年の本レース覇者マッドクール(牡6歳/栗東・池添学厩舎)、昨年のGⅠスプリンターズステークス勝ち馬のルガル(牡5歳/栗東・杉山晴紀厩舎)と一昨年の同レース覇者ママコチャ(牝6歳/栗東・池江泰寿厩舎)に加え、スプリントGⅠで2、3着が4回という実績を持つナムラクレア(牝6歳/栗東・長谷川浩大厩舎)ら、この路線の主力メンバーが顔を揃えた。さらには充実期を迎えた有力馬も数多く、今年は大混戦が予想される。

 週の後半に降雨があり、悪化が心配されていた馬場コンディションだが、29日早朝の状態は『重』(クッション値は7.5の「やや柔らかめ」)。ただし日曜は晴天の予報が一部出ており、メインの高松宮記念は多少の渋さは残っても『良』で開催される公算が高くなった。

 そして予想の際に見逃せないのが、今週から中京コースの芝が『Bコース』に設定が変わること。先週までの『Aコース』から外に3mぶん柵を移動させたもので、やや荒れた部分があるにしろ、インコースを通った馬に有利な馬場であることは明らか。これにデフォルトとなった同コースのトラックバイアスを加えると、狙いは”内枠の先行馬”となるのが成り行きだ。

 こうした条件のもと、スプリントGⅠ覇者や常連を差し置いてでも推したいのが2枠3番に入った上り馬、ビッグシーザー(牡5歳/栗東・西園正都厩舎)である。
 
 父は2016年に本レースを制したビッグアーサーで、祖父(父の父)はスプリンターズステークスを2連覇したサクラバクシンオーという、日本きっての快速サイアーラインに連なる本馬。デビュー前の調教から評判になるほどのスピードを持っていたが、なかなか重賞の壁を破れずにいた。そんななか、ブレイクを果たしたのは昨秋のことで、オパールステークス(L、京都・芝1200m)を快勝すると、続く京阪杯(GⅢ、京都・芝1200m)を3番手からの差し切り勝ちで重賞初制覇を果たした。

 中京コースの実績は〔2・0・0・1〕で、坂路でも軽く追った内容で37秒0-12秒7と上々。そして、クローズアップしたいのが初のブリンカー着用となる点。「一週前の追い切りはジョッキー(北村友一騎手)から『もうワンパンチ上げるためにブリンカーをつけてはどうか』という進言で着用してみたが、集中力が高まった感じで効果は十分あった」と西園正都調教師は語り、実戦でも付けて臨むことになった。

 ブリンカーを着用するとすべてが良い方向に転がるとは限らないが、本馬に関してはGⅠの舞台に挑むための武器としての効力、上積みが大きいと見て、評価を上げた。古馬になってから本格化したサクラユタカオーの血を引くサイアーラインの底力を信じて一票を投じたい。
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