角田裕毅は先週末のF1日本グランプリでレッドブルでのデビュー戦を12位で終えたが、休む間もなく今週末には「トリプルヘッダー」の2戦目となるバーレーンGPを迎える。
鈴鹿とは異なる、高速コーナーのないサーキットであるため、レッドブル、そして角田にとっては不得手なコースとの見方が多いようだが、元F1ドライバーで現在はコメンテーターを務めるジョリオン・パーマー氏は、F1公式サイト『F1.com』で「初戦でポテンシャルを見せた角田は、次こそ自身の力を発揮する時だ」と、日本人ドライバーに期待を寄せる。
「彼は高速コーナーに強く、鈴鹿にはそれが多くあったが、次のバーレーンには全くない。ただ、ブレーキングも上手いため、今週末はそれが武器になる可能性がある。『RB21』との方向性が合い、自信を持ってアタックできれば、まるで以前からこの車に乗っていたかのような走りができるだろう」
【動画】角田裕毅、アタックラップでタイム伸びず、ホーム鈴鹿でのレッドブルデビュー戦は無念のQ2敗退 スポーツ専門チャンネル「ESPN」は、逆に「サクヒール(バーレーンGPの舞台)は鈴鹿とは全く異なる特性のサーキットであり、RB21にとって不利にならない可能性もある」との見解を示し、「ポイントは、正しいセットアップを見つけ、左側タイヤの摩耗を上手くコントロールできるかどうかに懸かっている」と指摘。そして「もし角田が予選でQ2を突破してトップ10入りを果たせば、それはレッドブルにとってまた新たな『正しい方向への一歩』となるだろう」と綴った。
日本GPでの角田に対しては、様々な評価が下されているが、レッドブルのドライバーとしては有望なスタートを切り、飛躍の可能性を秘めているとの見方が多い。前出の『ESPN』は、先週末のレースのスタートでリアム・ローソン(レーシングブルズ)に対して理想のラインではないインを突いた場面を「燃料満タンでタイヤも冷えている状態でのアクションは、クルマに対して相当な自信がなければスピンしていてもおかしくなった」として、角田がすでにある程度はRB21に適応していると見ている。
英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、結果としては「良い週末とは言えない」としながらも、角田が良いペースを示したと評価し、角田自身が「良いスタートが切れた」と手応えを語った点についても触れ、「その自信は正当なものだ」と記述。また、2戦でレッドブルのシートを失ったローソンがレーシングブルズに戻って予選Q2に進出するなど、過去2戦より良い結果を残したため、レッドブル・グループ全体にとっても正しい人事だったとの見解を示した。
同国のF1専門サイト『F1 OVERSTEER』も同意見だが、こちらは異なる視点から角田の有用性を指摘。「F1のマシン開発においては、フィードバックが極めて重要である。レッドブルはマックス・フェルスタッペンとともに5連覇を目指しているが、同時に将来のプロジェクトも前進させなければならない。そのためには、有能で経験豊富なセカンドドライバーの存在が極めて役立つ」と、マシン開発での貢献に期待を寄せる。
さらに、「2026年に向けてチームを正しい方向に導けるだろう」と、新たなレギュレーションが施行される来季への準備でも参戦経験豊富な角田が役立つと主張。角田のフィードバック能力については、日本GPで「RB21の問題を指摘し、チームにどこを改善すべきかをはっきり伝えていた」一幕を「彼の経験が早くも発揮された好例」としている。
これについて同メディアは、元F1王者のデイモン・ヒル氏もレッドブルが2026年に向けたマシン開発のために、角田により多くの時間を与える意図で今回の人事を敢行したとの考えに同意したと説明。同氏が「ホンダは今季でレッドブルを離れるが、それでもパワートレインの基本は、ホンダの影響が大きくなるだろう」と語るとともに、「(鈴鹿で)角田はよくやったと思う。それまでRB21のドライブ経験がないまま実戦に臨んだわけだから、レースを完走しただけでも多くを学んだはずだ」との賛辞を送ったと紹介した。
トップチームの一員となった角田には、多くの仕事と結果が求められる。「今のレッドブルは、“フェルスタッペンひとりのチーム”であり続けることはもはや許されない」(『F1 OVERSTEER』)という状況のなか、角田が2回目のレースウィークエンドでどれだけの貢献を見せられるかに注目したい。
構成●THE DIGEST編集部
【画像】角田の顔Tシャツ、特製うちわまで...角田裕毅がSNSで紹介した“個性的すぎる”ファンの応援グッズ
鈴鹿とは異なる、高速コーナーのないサーキットであるため、レッドブル、そして角田にとっては不得手なコースとの見方が多いようだが、元F1ドライバーで現在はコメンテーターを務めるジョリオン・パーマー氏は、F1公式サイト『F1.com』で「初戦でポテンシャルを見せた角田は、次こそ自身の力を発揮する時だ」と、日本人ドライバーに期待を寄せる。
「彼は高速コーナーに強く、鈴鹿にはそれが多くあったが、次のバーレーンには全くない。ただ、ブレーキングも上手いため、今週末はそれが武器になる可能性がある。『RB21』との方向性が合い、自信を持ってアタックできれば、まるで以前からこの車に乗っていたかのような走りができるだろう」
【動画】角田裕毅、アタックラップでタイム伸びず、ホーム鈴鹿でのレッドブルデビュー戦は無念のQ2敗退 スポーツ専門チャンネル「ESPN」は、逆に「サクヒール(バーレーンGPの舞台)は鈴鹿とは全く異なる特性のサーキットであり、RB21にとって不利にならない可能性もある」との見解を示し、「ポイントは、正しいセットアップを見つけ、左側タイヤの摩耗を上手くコントロールできるかどうかに懸かっている」と指摘。そして「もし角田が予選でQ2を突破してトップ10入りを果たせば、それはレッドブルにとってまた新たな『正しい方向への一歩』となるだろう」と綴った。
日本GPでの角田に対しては、様々な評価が下されているが、レッドブルのドライバーとしては有望なスタートを切り、飛躍の可能性を秘めているとの見方が多い。前出の『ESPN』は、先週末のレースのスタートでリアム・ローソン(レーシングブルズ)に対して理想のラインではないインを突いた場面を「燃料満タンでタイヤも冷えている状態でのアクションは、クルマに対して相当な自信がなければスピンしていてもおかしくなった」として、角田がすでにある程度はRB21に適応していると見ている。
英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、結果としては「良い週末とは言えない」としながらも、角田が良いペースを示したと評価し、角田自身が「良いスタートが切れた」と手応えを語った点についても触れ、「その自信は正当なものだ」と記述。また、2戦でレッドブルのシートを失ったローソンがレーシングブルズに戻って予選Q2に進出するなど、過去2戦より良い結果を残したため、レッドブル・グループ全体にとっても正しい人事だったとの見解を示した。
同国のF1専門サイト『F1 OVERSTEER』も同意見だが、こちらは異なる視点から角田の有用性を指摘。「F1のマシン開発においては、フィードバックが極めて重要である。レッドブルはマックス・フェルスタッペンとともに5連覇を目指しているが、同時に将来のプロジェクトも前進させなければならない。そのためには、有能で経験豊富なセカンドドライバーの存在が極めて役立つ」と、マシン開発での貢献に期待を寄せる。
さらに、「2026年に向けてチームを正しい方向に導けるだろう」と、新たなレギュレーションが施行される来季への準備でも参戦経験豊富な角田が役立つと主張。角田のフィードバック能力については、日本GPで「RB21の問題を指摘し、チームにどこを改善すべきかをはっきり伝えていた」一幕を「彼の経験が早くも発揮された好例」としている。
これについて同メディアは、元F1王者のデイモン・ヒル氏もレッドブルが2026年に向けたマシン開発のために、角田により多くの時間を与える意図で今回の人事を敢行したとの考えに同意したと説明。同氏が「ホンダは今季でレッドブルを離れるが、それでもパワートレインの基本は、ホンダの影響が大きくなるだろう」と語るとともに、「(鈴鹿で)角田はよくやったと思う。それまでRB21のドライブ経験がないまま実戦に臨んだわけだから、レースを完走しただけでも多くを学んだはずだ」との賛辞を送ったと紹介した。
トップチームの一員となった角田には、多くの仕事と結果が求められる。「今のレッドブルは、“フェルスタッペンひとりのチーム”であり続けることはもはや許されない」(『F1 OVERSTEER』)という状況のなか、角田が2回目のレースウィークエンドでどれだけの貢献を見せられるかに注目したい。
構成●THE DIGEST編集部
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