競馬

エンブロイダリーの戴冠にみるアドマイヤマーズ産駒の血脈の奥深さ。モレイラ騎手は潜在能力を絶賛「3歳の新しいスターだ」【桜花賞】

THE DIGEST編集部

2025.04.15

エンプロイダリー(左)がアルマヴェローチェ(右)の猛追をクビ差抑えて桜花賞を制覇した。写真:産経新聞社

 牝馬クラシック三冠の第一弾、桜花賞(GⅠ、阪神・芝1600m)が4月13日に行なわれ、単勝3番人気のエンブロイダリー(栗東・森一誠厩舎)が、2番人気のアルマヴェローチェ(栗東・上村洋行厩舎)をクビ差抑えて優勝。まず一冠目を手にした。3着には4番人気のリンクスティップ(栗東・西村真幸厩舎)が、4着には9番人気のマピュース(美浦・和田勇介厩舎)が入り、1番人気に推された2戦2勝のエリカエクスプレス(栗東・杉山晴紀厩舎)は逃げ粘るも及ばず、5着に敗れた。
【動画】桜の女王はエンプロイダリー!雨中の桜花賞をプレイバック

 馬場状態を左右する天候の変化に気を揉んだファンもさぞかし多かったことだろう。当初の天気予報では13日の未明から夕刻まで降雨があるとされていたが、実際には小雨が降り始めたのが第3レースのあと。この時点では馬場状態は『良』だったが、徐々に雨足が強まっていき、第7レースから芝は『稍重』に。雨はさらに降り続いたが、馬場状態の表示は変わることなく、メインの桜花賞は『稍重』のまま迎えた。
 
 レースは好スタートからスピードの違いで先頭に立ったエリカエクスプレスが先導。ショウナンザナドゥ、ビップデイジー(ともに栗東・松下武士厩舎)らがそれを追い、エンブロイダリーは中団馬群にポジションを取り、アルマヴェローチェはその直後を追走した。

 逃げるエリカエクスプレスは鞍上が手綱を抑えているにもかかわらず、1000m通過が58秒6と、たっぷり水分を含んだ稍重馬場を考えると、かなりのハイペースを刻むことに。第3コーナーからは後方の馬群が前との差を詰めはじめ、馬群はひと塊になりながら直線へ向いた。

 エリカエクスプレスは馬場のコンディションがいい外目へと進路をとって急坂に挑むが、脚色が鈍っていっぱいになる。そこへ外からアルマヴェローチェが襲い掛かり、さらには馬群を縫うように伸びてきたエンブロイダリーが猛追。2頭の激しい叩き合いになったが、一度交わされかけたエンブロイダリーが最後は差し返す勝負根性を見せ、アルマヴェローチェを僅差で抑えてゴール。キャリア6戦目にしてGⅠウィナーとなった。勝ち時計は1分33秒1だった。
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