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ロレンソがヤマハにテストライダーとして復帰! YZR-M1の開発を後押し。契約の様子をツイッターで公開

甘利隆

2020.02.01

ヤマハのテストライダーとして契約したロレンソ。(C)Getty Images

ヤマハのテストライダーとして契約したロレンソ。(C)Getty Images

 ヤマハ・ファクトリーは、マーベリック・ビニャーレスの22年までの契約延長、ファビオ・クアルタラロとの21~22年ファクトリー契約締結に続き、19年にMotoGPから引退したホルヘ・ロレンソがヤマハのテストライダーを務めることを1月30日に明らかにした。

 2月2~4日にマレーシアのセパンで実施されるシェイクダウンから始まり、その他の公式IRTAテスト、ヤマハが行なうプライベートテストに参加する予定で、19年までヴァレンティーノ・ロッシのクルーチーフを担当していたシルヴァーノ・ガルブセラをリーダーとするチームと開発を行なっていくという。

 度重なる怪我によるモチベーション低下を理由にレプソル・ホンダ・チームから参戦したバレンシアGPの13位完走を最後に現役を退き、長いバカンスを楽しんでいたロレンソだが、最近ではジムで現役時代同様にトレーニングする姿をTwitterにアップする等、古巣ヤマハのテストライダーに就任するのでは? という噂がまことしやかに流れていた。
 
 ロレンソはヤマハ YZR-M1で10年、12年、15年と3度MotoGPクラスのタイトルを獲得。06~07年には250ccクラスでアプリリアを駆り、2年連続のチャンピオンと計5度の世界王者に輝いたレジェンドライダーのひとりで、10年に獲得した383ポイントは、19年にマルク・マルケスに破られるまで最高峰クラスの史上最多獲得ポイントだった。

 ドゥカティとホンダで各1度MotoGPクラスチャンピオンに輝いたケーシー・ストーナーが引退翌年の13年からホンダのテストライダーに就任。長らくホンダに貢献したダニ・ペドロサも引退翌年の19年からKTMのテストライダーを務める等、チャンピオンクラスのトップライダーが、現役引退後もそのままテストライダーになるというのが近年のトレンドだ。
 
 ただ、ストーナー、ペドロサの両名がMotoGPでのレース復帰に否定的だったのに対し、今回の発表では当面ワイルドカード参戦の予定はないものの、レース復帰の可能性はあるとヤマハは含みを持たせている。

「ヤマハ・ファクトリーのテストチームへ参加できることに満足しているよ。僕はMotoGPのパドックに戻ることを考えていたけど、テストライダーは適切な役割だと思う。チームとM1をよく知っているし、ヤマハは僕のライディングスタイルに本当に合っていて、“古いバイクに再び出会う”ことは興味深い。ヤマハに戻ると多くの表彰台と勝利を獲得し、3つのタイトルを一緒に獲った素晴らしい記憶を思い出す。仕事へのモチベーションも高まっているし、走るのが待ち遠しい。ヤマハの未来に向けて最善を尽くしたい」とロレンソも意欲を見せる。

 美しく弧を描く、滑らかで正確なライディングでコーナリングスピードを重視するロレンソのスタイルと前後タイヤのスライド具合を巧みにコントロールし、無理矢理曲げていく“マルケス・スペシャル”のホンダRC213Vのマシン特性が合わず、成績が低迷したこともモチベーション低下の一因では? とも囁かれるが、テストとはいえ自身のスタイルに合った古巣でのライディングで、かつての輝きを取り戻す日が来るかもしれない。

文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super
 
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