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バレーボール

初代女王・大阪マーヴェラス主将が男子との“人気差”に愕然。女子バレーの実状に危機感「どうしたら注目を…」【SVリーグ女子ファイナル】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.05.04

MVPを受賞した大阪MVの田中。女子バレー界の人気低迷に危機感を募らせている。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

MVPを受賞した大阪MVの田中。女子バレー界の人気低迷に危機感を募らせている。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 5月3日に開催されたバレーボールの「大同生命SVリーグ」女子チャンピオンシップファイナル(東京・有明アリーナ)で、大阪マーヴェラスがNECレッドロケッツ川崎をセットカウント3対0(25-22、25-21、25-16)で下し、昨秋に幕を開けた新リーグの初代女王に輝いた。プレーオフMVPに選ばれた田中瑞稀は喜びの声を上げた一方、女子バレー界の見過ごせない“実状”を口にした。
【画像】SVリーグ初代女王に就いた大阪マーヴェラスの輝く笑顔を厳選してお届け!

 昨季の悔しさを晴らした。2日の第1戦をストレート勝ちした大阪はこの日も2セットを連取。攻守ともにハイレベルなバレーでマッチポイントを握り、最後は得点源のリセ・ファンヘッケ(ベルギー)のスパイクが決まると、ベンチからチームメイトが一斉に飛び出してコート中央に歓喜の輪ができた。

 レギュラーシーズン44試合で37勝を挙げる圧巻の強さで首位を独走。プレーオフも順調に決勝まで駒を進めた。ファイナルでは前身のVリーグ決勝で敗れた宿敵に2戦とも完勝し、雪辱を果たした。

 MVPを受賞した田中は「SVリーグの初代女王という歴史に名を刻めてすごく嬉しいです。最高です!」と絶叫。チームの主軸である林琴奈は「(今季は)苦しい時期も多かったですけど、最後に優勝できて、みんなの思いが報われた」と喜びを噛みしめた。
 
 ただ試合後、田中は気になることをポロッと漏らした。

「観客数がどうしても減っていると思う。どうしたら女子も注目してもらえるのか...」

 優勝チームの主将が気にするのも無理はない。同日には、同会場で男子ファイナルの第1戦であるサントリーサンバーズ大阪vsジェイテクトSTINGS愛知が開催され、こちらは試合前から大勢の観客が詰めかけた。人気チーム同士の一戦だったこともあり、有明アリーナの2階席はほぼ埋まっていた。

 男子の公式入場者数は1万1487人と大盛況だった一方、女子は男子の約3分の1となる4310人。1階席でも空席がちらほら目立ち、ゴールデンウイークの週末にしては少し寂しい数字となった。一部選手からはチームによって公平性を欠く日程の組み方やSNSでの発信不足など、コート内外での改善を求める声も少なからず上がっている。

 SVリーグ開幕前の記者会見で、大河正明チェアマンは「世界最高峰のリーグを目指した新たなスタートです。バレーボールの魅力を存分に楽しんでいただきたい」と述べている。リーグの発展には国内選手のレベルアップ、世界トッププレーヤーの召喚だけでなく、ビジネスの成功も欠かせない。日本女子バレーの記念すべきシーズンが終わった今だからこそ、競技環境の整備にもしっかり目を向けるべきなのかもしれない。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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