専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
陸上

初の国立で快走した山本有真が取材ゾーンに20分遅れた“ワケ”「お金を払って見にきてるし…」「もっと陸上を人気に」【セイコーGGP】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.05.19

山本は初の国立で女子3000mを3位で終えた。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

山本は初の国立で女子3000mを3位で終えた。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 5月18日、東京・国立競技場で陸上のセイコーゴールデングランプリ(GGP)が行なわれた。女子3000メートルは昨年のパリ五輪5000メートル代表の山本有真が日本人トップとなる3位でフィニッシュ。自己ベストを更新する8分50秒64をマークした。

 山本は序盤からペースメーカーを務める田中希実の背中にピタリとつき先頭集団でレースを進めた。トップを走るローズ・デービース(オーストラリア)が一気にスパートをかけて後続をどんどん引き離していくが、山本も必死でついていき日本人最上位を守った。

 レース後は明るい表情で、「自信を持ってスタートラインに立てた。結構きつかったですけど、自分の中で粘り切れたなっていうレースでした」と振り返った。

 昨年は調子が上がらず、同大会を棄権。会場に足を運んだものの、入ることはできなかった。「自分が走る場所だったところを見られなくてすごく悔しかった。やっと国立で走れるという嬉しい気持ちもあってワクワクできたし、会場に入ってみると雰囲気や迫力がすごくあって自分もパワーがもらえました」と去年の悔しさを晴らした。
 
 フィニッシュ後には、ファンへの神対応がみられた。レース後、選手はすぐに取材対応のためミックスゾーンに現れるのだが、20分経っても山本はなかなか来ず。何かトラブルでもあったのか。トラック脇から目一杯フィールドをのぞいてみると、彼女は笑顔を振りまきながら、客席の一人ひとり丁寧に手を振って声援に応えていた。その場面について詳細を訊いてみると、「めっちゃきつくて汗もすごかったんですけど...」と笑いながら、彼女は次のように答えた。

「皆さんお金を払って見にくださっているし、もっと陸上が人気になってほしいなと思っています。あそこまで見に来てくださる方々はすごい大事にしたいですし、また(9月の)世界陸上東京も見に来てほしいので。一人ひとりに“また応援に来てください”っていうのを伝えてました。(記者の)皆さんにはちょっと時間かかっちゃって申し訳ないですけど」

 陽気な性格と可憐なルックスでファンも多い25歳は、インスタグラムのフォロワー数が10万人以上。モデル顔負けのキュートな一面だけでなく、ジャケットやシューズなど陸上アイテムを積極的に発信している。この日履いた赤いシューズにはダイソーで買ったキラキラなシールを貼って臨んだ。「海外選手のインスタ投稿を見て可愛いと思って(笑い)。やっぱり試合の特別感を出すために、ちょっと気持ちだけキラキラにしてみました」とアレンジ感を出した。

 陸上界のさらなる発展に意欲を示す若きランナーは、「ブダペストの世界陸上やパリ五輪はもっと人がパンパンでもっと迫力のある歓声が聞こえていた。日本人の方にももっと陸上を好きになって見に来てもらえたら」と願いを込めた。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

【画像】日本陸上界が誇る “最強美人ハードラー”田中佑美の華麗なる厳選フォトを一挙お届け!

【画像】もうスーパーモデルじゃん! 英国が誇る“トラックの美しき女王”キーリー・ホジキンソンを特集!

【画像】艶やかな紫ドレス姿の北口榛花。プロスポーツ大賞で殊勲賞とNHK賞のダブル受賞!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号