衝撃の強さだ。

　６月８日、プロボクシングの「Prime Video Boxing13」が東京・有明コロシアムで行なわれ、メインイベントのWBC・IBF世界バンタム級王座統一戦はWBC世界同級王者の中谷潤人がIBF世界同級王者の西田凌佑を撃破。西田が６ラウンド終了後、右肩脱臼のため試合続行不可能となり、中谷がTKO勝利。“無敗の日本人王者対決”を制した。
【動画】中谷潤人が攻める！攻める！ 怒涛のラッシュで王座統一

　両者は１ラウンドから激しく打ち合った。中谷が距離を詰めて鋭い左ストレート、ワンツーを放つが、西田も負けじと手数を出していく。ロープを背にした中谷を西田が細かいパンチを打ち、中谷も積極的に重いパンチを顔面やボディに打った。

　２回も変わらず接近戦となり、両者は手数を出していく。中谷が力を込めた左ストレートを次々と浴びせていき、西田はタイミングを見ながら相手の懐に入りパンチを出す展開に。距離を詰めた中谷の左フック、アッパーが西田の顔面を捉える場面もあった。

　３、４回もリング中央で激しく打ち合う両者。西田の左カウンターが中谷の顔面やボディを捉える。西田の右目下が少し赤く腫れる。

　中盤からギアを上げた中谷はさらに鋭い手数を放つ。右でジャブを放ちつつ、外から豪快なアッパー、鋭いストレートを何発も打つ。西田は右目を腫らしながらもガードを堅めつつ、中谷のボディにパンチを打つ。

　右目が大きく腫れ視野がせまくなった西田に対し、中谷が情け容赦なしにパンチを浴びせる。ガードの上からでも強烈なストレートで僅かな隙をぶち抜いた。

　７ラウンド開始直前、西田が右肩を脱臼。陣営が試合続行不可能と判断し、中谷の勝利が決まった。右目を大きく腫らした西田は椅子に座って茫然。リングから降りるときには両手でファンに詫びるような仕草を見せたが、壮絶な打ち合いを演じたボクサーに会場からは労いの拍手が鳴り止まなかった。
  　激闘を制した中谷は戦績を31戦31勝（24KO）に伸ばした。一方、西田はプロ初黒星となり２度目の防衛はならず。11戦10勝（２KO）１敗となった。試合後、中谷は「また新たな未来が開けたと思うので、ご期待ください」と笑顔で話し、次戦に期待を持たせた。

　来年５月には、東京ドームで世界スーパーバンタム級４団体統一王者の井上尚弥と対戦が計画されている中谷。この日はリングサイドで井上が激闘を見守っていた。世界のボクシングファンが垂涎する「モンスターvsビッグバン」の超メガマッチ実現に向け、中谷が強烈過ぎるアピールとなった。

構成●THE DIGEST編集部

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