国際競馬統括機関連盟 (IFHA) が発表する世界の競走馬の格付けである『ワールド・ベスト・レースホース・ランキング』。これで最高の格付けを獲得した、つまり「世界一」に立った日本馬は過去2頭いる。1頭は記憶にも新しい2023年のイクイノックスで、もう1頭は2014年に日本馬として初の「世界一」となったジャスタウェイである。
【動画】日本馬初のナンバー1!世界に衝撃を与えたジャスタウェイの快勝劇
アニメの脚本家である大和屋暁は大の競馬好きで、クラブ法人の会員としてハーツクライに出資。ドバイ、英国への遠征の際には現地へ駆けつけるほどの熱心なファンだった。それが高じて馬主資格を取得。ハーツクライ産駒を手に入れるべく日本最大のセリ市であるセレクトセールに参加し、2009年にシビル(父ワイルドアゲイン)の4番仔(牡)を1200万円(税別)で落札。大和屋が脚本として参加したアニメ『銀魂』のキャラクターからとった『ジャスタウェイ』の名を冠し、栗東トレーニング・センターの須貝尚介厩舎へと預託された。
2歳の7月にデビューしたジャスタウェイは初戦で勝利を挙げると、2戦目の新潟2歳ステークス(GⅢ)で2着。翌年のアーリントンカップ(GⅢ)で重賞初勝利を挙げた。GⅠのNHKマイルカップ、日本ダービーではそれぞれ6着、11着に敗れたが、秋には毎日王冠(GⅡ)で2着に健闘し、古馬相手でも十分に戦えるポテンシャルの高さを示した。
しかし、そこからのトンネルが長かった。善戦はするものの、もうひと押しが利かない歯がゆいレースが続いた。それでも2013年6月のエプソムカップ(GⅢ)、関屋記念(GⅢ)、毎日王冠と重賞を3連続2着。着実に地力を付けていることを厩舎も騎手も実感していたという。
そして、迎えた秋の天皇賞(GⅠ)。ここでジャスタウェイは恐るべきパフォーマンスを披露する。
前年の三冠牝馬にしてジャパンカップ(GⅠ)の覇者でもあるジェンティルドンナ、ダービー馬で前年の本レースを制しているエイシンフラッシュが顔を揃えたなか、単勝5番人気でレースに臨んだ大一番。ジャスタウェイは道中、中団の後ろ目を進むと、直線坂下から一気にスパート。すると目の覚めるような切れ脚を発揮し、残り200m付近で先に抜け出したジェンティルドンナを交わすとさらに末脚を伸ばし、ゴールでは4馬身(0秒7)もの差を付ける圧勝を遂げたのである。
ジェンティルドンナ推しのファンが多く訪れていた東京競馬場は、予想外の展開に戸惑う空気が流れるほどのワンサイドゲーム。そのさまは、これまでの詰めの甘さがすっかり払拭された"シン・ジャスタウェイ"の誕生を印象付けるものだった。
【動画】日本馬初のナンバー1!世界に衝撃を与えたジャスタウェイの快勝劇
アニメの脚本家である大和屋暁は大の競馬好きで、クラブ法人の会員としてハーツクライに出資。ドバイ、英国への遠征の際には現地へ駆けつけるほどの熱心なファンだった。それが高じて馬主資格を取得。ハーツクライ産駒を手に入れるべく日本最大のセリ市であるセレクトセールに参加し、2009年にシビル(父ワイルドアゲイン)の4番仔(牡)を1200万円(税別)で落札。大和屋が脚本として参加したアニメ『銀魂』のキャラクターからとった『ジャスタウェイ』の名を冠し、栗東トレーニング・センターの須貝尚介厩舎へと預託された。
2歳の7月にデビューしたジャスタウェイは初戦で勝利を挙げると、2戦目の新潟2歳ステークス(GⅢ)で2着。翌年のアーリントンカップ(GⅢ)で重賞初勝利を挙げた。GⅠのNHKマイルカップ、日本ダービーではそれぞれ6着、11着に敗れたが、秋には毎日王冠(GⅡ)で2着に健闘し、古馬相手でも十分に戦えるポテンシャルの高さを示した。
しかし、そこからのトンネルが長かった。善戦はするものの、もうひと押しが利かない歯がゆいレースが続いた。それでも2013年6月のエプソムカップ(GⅢ)、関屋記念(GⅢ)、毎日王冠と重賞を3連続2着。着実に地力を付けていることを厩舎も騎手も実感していたという。
そして、迎えた秋の天皇賞(GⅠ)。ここでジャスタウェイは恐るべきパフォーマンスを披露する。
前年の三冠牝馬にしてジャパンカップ(GⅠ)の覇者でもあるジェンティルドンナ、ダービー馬で前年の本レースを制しているエイシンフラッシュが顔を揃えたなか、単勝5番人気でレースに臨んだ大一番。ジャスタウェイは道中、中団の後ろ目を進むと、直線坂下から一気にスパート。すると目の覚めるような切れ脚を発揮し、残り200m付近で先に抜け出したジェンティルドンナを交わすとさらに末脚を伸ばし、ゴールでは4馬身(0秒7)もの差を付ける圧勝を遂げたのである。
ジェンティルドンナ推しのファンが多く訪れていた東京競馬場は、予想外の展開に戸惑う空気が流れるほどのワンサイドゲーム。そのさまは、これまでの詰めの甘さがすっかり払拭された"シン・ジャスタウェイ"の誕生を印象付けるものだった。
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