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陸上

「自分の走りを見失う時期があった」もがき苦しむドルーリー朱瑛里。“高校ラストイヤー”で誓う目標「人としても成長できるような1年にしたい」【陸上】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.07.12

女子1500mで力走する高校3年生のドルーリー朱瑛里。写真:永島裕基

女子1500mで力走する高校3年生のドルーリー朱瑛里。写真:永島裕基

 7月4日から6日まで、東京世界陸上の代表選考を兼ねた「第109回日本選手権」が開催された。国立競技場を舞台に繰り広げた熱戦を連日取材した『THE DIGEST』では“選手の言葉”とともに振り返る。今回は女子1500メートル予選に出場したドルーリー朱瑛里(岡山・津山高3年)を取り上げる。

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 2年連続の決勝進出は叶わなかった。同種目6連覇を狙う田中希実と同じ予選1組に登場したドルーリーは果敢に先頭集団につけた。だがギアを上げた田中のハイペースについていけず、終盤に失速。上位との差が大きく開き、4分27秒35の13着でフィニッシュ。無念の予選敗退となった。

 レース直後、「悔しいレースになった」と唇を噛んだ。自己ベスト(4分15秒50)にも遠く及ばず、「800メートル過ぎてから並んだ時に前に出てしまって...そこから、ズルズルと遅れてしまい自分の目指すような結果ではなかった」と肩を落とした。

 ただ、マイナスなことばかりではない。「憧れの存在」だと明かす田中の走りを見て、「ラストまでついていくための練習と、自分のイメージする走りをしっかり噛み合わせていくことが必要だと思った」と受け止める。
 
 当時、中学3年生だった2023年1月の全国都道府県対抗女子駅伝の3区で17人抜きする異次元の走りで区間新記録(9分2秒)をマークし、大きな注目を集めた。昨年4月のU20アジア選手権女子1500メートル決勝で金メダル(4分21秒41)を獲得し、6月の日本選手権では高校生で唯一決勝に進出。7位入賞を果たすなど着実な成長をみせた。

 だが去年1年間は貧血で体調を崩し、「自分の走りを見失う時期があった」と苦しい胸中を吐露。食事や練習内容を見直すなど試行錯誤を繰り返したという。それでも5月18日には同じ国立競技場で行なわれたセイコーゴールデングランプリに出場。海外を含めたトップランナーとの戦いで貴重な経験を得た。

「こういったレベルの高い中で走ることができて、私自身も成長することができますし、刺激をたくさんもらえるような機会になっています。走りの部分で改善するところがたくさん見つかったと思うので、まずは体調を第一に戻して、夏に向けてしっかりと練習を積んでいきたい」

 次のターゲットは今月25日から広島で開幕する全国高校総体(インターハイ)だ。「高校ラストイヤーなのでしっかりと練習を積んで、いい走りができるような姿を見せれるように頑張りたい」と再起を誓う。また、「選手としてだけでなく、人としても成長できるような1年間にしたい」とも語ったドルーリー。17歳の女子高生ランナーが納得できる、悔いなき走りを期待したい。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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