頼れる主将がコートを躍動した。

　７月12日、バレーボールの最強国決定戦「ネーションズリーグ」は女子の予選ラウンド千葉大会の第３戦が行なわれ、世界ランク５位の日本が同３位のポーランドを３-１（25-21、23-25、25-23、25-22）で撃破した。昨年のパリ五輪１次リーグ初戦で敗れた強敵から価値ある白星を掴んだ。

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　平均身長189.1センチと圧倒的な高さを誇るポーランドの攻守に苦戦するも日本が勝ち切った。

　なかでも攻撃陣をけん引したのはキャプテンの石川真佑だ。苦しい場面でのトスを難しい体勢からコート隅を突いたり、時には中央から強烈なバックアタックを炸裂させるなど、１本が欲しい時に決める勝負強さをみせた。

　終わってみれば両チーム最多22得点をマーク。頼れる主将の背中に引っ張られるように23歳の佐藤淑乃が17得点、ミドルの島村春世が14得点と３人が二桁得点を挙げ、「それぞれがいい役割をできるように」という意識を十二分に発揮。一人に依存しないチーム力の高さを示した。
  　パリ五輪で敗れた宿敵との激闘を制した石川は「勝つことができて良かった。苦しい展開もたくさんあったけど、プレーでしっかり引っ張っていくところは意識した」と振り返る。ここまでチームは通算９勝２敗。好調な要因に「全員でこうしたいという気持ちもありますし、常に自分たちでコミュニケーションを取りながらプレーができている」と話し、充実の汗をぬぐった。

　取っては取られての攻防が続いた。１対１で迎えた第３セットは５連続失点する最悪の出だしも、石川が必死のレシーブでつなげじわじわ点差を詰め、ついに18対18の同点。途中出場した18歳の秋本美空、21歳の北窓絢音ら勢いある若手が流れを変えて大逆転に成功する。

　第４セットも３点ビハインドからタイムアウトを取ると流れは一気に日本へ。４連続得点で逆転すると、石川がレフトからの強打、さらにサービスエースで連続得点を挙げ勝利を手繰り寄せた。「相手にリードされている展開も多かったですけど、自分たちが気持ちの面でもしっかり負けずに攻める気持ちを持ってるからこそ、リードされてもついていけてる」とチームの特長である全員バレーでの粘り勝ちを口にする。

　次戦13日は予選ラウンド最終戦、強豪ブラジルと対戦する。石川は「明日も苦しい試合になると思いますけど、自分たちの攻める気持ちを忘れずにいきたい」と力強く語り、宿敵撃破を再び誓った。

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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