バレーボール

予選ラウンド異例の6人起用。日本女子バレー代表争い“最激戦ポジション”の気になる序列【ネーションズリーグ】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.07.14

日本のリベロ争いが激化している。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 バレーボールのネーションズリーグは女子の予選ラウンド第3週・千葉大会が7月13日にすべて終了し、同ラウンドの順位が確定した。前回銀メダルの日本は通算9勝3敗の3位で、上位8か国で争う決勝ラウンド(23日開幕、ポーランド)に進出。準々決勝は予選6位のトルコと対戦する。

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 13日のブラジル戦はストレートで敗れた日本。だがチームは予選ラウンドを通して一戦ごとに確かな成長を遂げ、39歳のトルコ人指揮官は大きな手応えを得た。

 日本を率いるフェルハト・アクバシュ監督は代表最年少の18歳・秋本美空や21歳の北窓絢音、セッターの中川つかさ(24)など、これまで代表経験の少ない若手選手を積極的に起用。各ラウンドで毎試合ごとに選手を入れ替え、新陳代謝を促し競争力を活性化させた。特に日本ラウンドでは途中起用された北窓がスパイク、レシーブなどで流れを変える働きをみせ、出場するごとにプレーの精度を上げた。

 なかでも指揮官は予選ラウンドでリベロを6人も起用した。開幕週のカナダ・ラウンドはパリ五輪代表の小島満菜美、3年連続でVNL登録となった西村弥菜美。続く第2週・香港ラウンドはリベロだけ総入れ替えをし、イタリアリーグで活躍する福留慧美とSVリーグ初代女王である大阪マーヴェラスの正リベロ・西崎愛菜、代表初選出の川畑遥奈を起用。最終週の千葉大会では小島と西村、チームの応援団長も担った岩澤実育らが名を連ねた。
 
 ブラジル戦後、囲み取材に応じたアクバシュ監督は予選ラウンド期間中6人のリベロを併用した意図について言及。「6人とも素晴らしいリベロだ。この3週間を通して6人全員になるべく均等に役割を与えてきました。試合の状況やその時の状況に応じて選手のプレーを見て、誰を起用するか決めていた」と明かした。

 負けたら終わりの一発勝負となる決勝ラウンド。メンバー争いが激化するリベロは果たして誰をチョイスするのか。指揮官は「名前を挙げるとフェアではなくなってしまう」と具体的な名前は控えたが、リベロを含めて招集したメンバー全員が成長していることを主張。「全員が良くなっていることを感じている」と喜ぶほど、最後までメンバー争いは激しさを増しそうだ。

 世界的にも定評のある日本のディフェンス力をコート上で体現する守備職人のリベロは、日本の特長である粘り強いバレーを体現するうえで重要なポジションといっても過言ではない。世界を見渡してもレベルが高く、層の厚さを誇る日本の正リベロ争いは誰が一歩リードするのか。決勝ラウンドの代表登録に興味は尽きない。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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