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ラグビー

「サポートに行けない、と言い訳せずに...」ラグビー日本代表、敗戦の中で見えた成長の芽。課題と希望が交錯したウェールズとの第2戦

向風見也

2025.07.14

第1戦からモール戦などで修正を施してきたウェールズに対し、日本は後半に2点差まで詰め寄ったものの惜敗した。(C) Getty Images

第1戦からモール戦などで修正を施してきたウェールズに対し、日本は後半に2点差まで詰め寄ったものの惜敗した。(C) Getty Images

 問題を解決できたほうが笑った。

 ラグビーの日本代表がウェールズ代表と7月5日・12日に連戦。ミクニワールドスタジアム北九州での最初のゲームを24―19で制しながら、次のノエビアスタジアム神戸での80分は22―31とリベンジを許した。

【動画】伝統国から初の連勝なるか... 白熱の対ウェールズ第2戦ハイライト
 勝ったフッカーのデヴィ・レイク主将は、「先週から修正ができた」。まず、前回ジャパンが組ませないようにしていたモール(立ったボール保持者を軸にした塊)の質を変えた。軸の選手を周りが保護し、形作り、プレッシャーをいなした。その流れで前半28分に12点目を挙げた。直後のゴール成功で3―14。

 中盤での戦い方も変えた。敗戦時と比べ、大胆にボールを展開するのを目指した。36分、連携攻撃で数的優位を作ってこの日3本目のトライを奪った。3―21。相手のマット・シェラット暫定ヘッドコーチはこうだ。

「皆にはもっと勇気を持って戦えと声をかけていた」

 かたや敗れた日本代表は、勝利時に露呈した懸念点を解消できなかった。

 まず、高く上がった球の奪い合いで劣った。特に前半は、自分たちから意図的に蹴り込んだボールも向こうへ渡りがちだった。

 ウイングでこの日2度目の代表戦となった石田吉平は、最適なタイミングで飛び上がりながらも空中で圧を受けた。本人の弁。

「同じタイミングで飛んでしまうと高さにやられてしまう。先に飛ぶ(ことが大事)。そこは工夫していきたいです」

 攻撃中の接点にも難儀した。22―24と点差を詰めて迎えた後半28分頃、向こうのフランカーであるジョシュ・マクラウドにスティールされた。

 それ以外の局面でも球出しを遅らされ、その隙に防御網を敷かれた。高速展開を目指すジャパンにとって、それは命とりだった。

 竹内柊平。前半37分に登場するや好スクラム、機を見てのフィニッシュで光った右プロップは、ウェールズ代表のスティール成功は組織的な動きだったと語る。

「僕らのシステムの『一番、重要な部分』に邪魔な人を入れるなど、意図してスティールを狙ってきていた。ラックに寄る選手がそうする前に(巧妙に)身体を当ててきて…。(日本代表の走者が孤立しやすい局面を)わざと作ってきていました。ただ、そこで『サポートに行けない』と言い訳せずにボールを保持できるようにならないといけないです」

 屋根付きの蒸し暑い会場にあって、たくさんのエラーを誘いながら自軍でも好機でミスを重ねてしまっていた。こちらも痛かった。
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