バレーボール

女子バレー日本の“守備職人” 岩澤実育が感じた世界の壁。強豪ブラジルに完敗で浮き彫りになった課題【ネーションズリーグ】

大田更紗(THE DIGEST編集部)

2025.07.16

必死にボールに食らいついた岩澤。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 バレーボール・ネーションズリーグ女子の予選ラウンドは7月14日にすべての試合が終了した。通算9勝3敗の3位で決勝ラウンド(ポーランド・ウッチ)に駒を進めた日本代表は、準々決勝で予選6位のトルコと対戦することが決まった。
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 12日のポーランド戦でスーパーレシーブを炸裂して注目を浴びたのは、リベロの岩澤実育だ。フェルハト・アクバシュ監督も身長162cmの守護神について、「スピードと反射神経が素晴らしく、特に高さのある相手に対してしっかりとコースに入れる選手だと思う」と高く評価している。

 ベンチでは"応援団長"としてチームメイトを鼓舞し、明るい雰囲気を醸し出している彼女だが、13日のブラジル戦後、笑顔はなかった。日本は強豪相手にセットカウント0-3(17-25、18-25、20-25)でストレート負け。世界の壁に苦戦した25歳は、率直な気持ちをこう語った。
 
「サーブレシーブで崩れてしまったなと。そこがやっぱり自分の課題だと再確認した。昨日(ポーランド戦)よりもフラットなサーブが多くて...。スピード感のあるサーブだったり、人と人の間のサーブとか、クオリティがすごく高かった」

 とりわけ印象に残ったのは、主将の"ガビ"ことガブリエラ・ギマラエスとロザマリア・モンチベレルだという。「ガビ選手のスパイクのバリエーションとか、ロザマリアさんは日本でもたくさんプレーしていると思うんですけど、すごい迫力のあるスパイクとかたくさん打っていた」と世界トップレベルの実力を肌で感じていた。

 今年、日本代表に初選出された岩澤だが、日本ラウンドを通じて「ディフェンスで体を張ることに関しては、自信持ってプレーしていいなと思った」と手応えを口にする。その一方で、「サーブレシーブはやっぱり自分のこれからの課題でもあるなと改めて実感した」と繰り返し強調した。

 決勝ラウンドでは、ブラジルと再び顔を合わせる可能性もある。岩澤は「自分自身の持ち味をしっかり出せるように。やっぱり自分が落ち着いてプレーするのが一番大事だと思うので、周りとのコネクションとかも合わせながらやっていきたい」と静かに闘志を燃やした。

取材・文●大田更紗(THE DIGEST編集部)

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