一方、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、「理想的なシナリオは、角田が実力を発揮し、来季もシートを守ることだ。それによってレッドブルには必要とされる安定性がもたらされ、ハジャーにもセカンドチームで経験を積むチャンスが与えられるので、昇格の時が来た際により準備が整った状態で臨むことができるだろう」と指摘する。

　しかし、「現状のフォームを踏まえれば、角田をハジャーに入れ替え、レーシングブルズはローソンとアービッド・リンドブラッド（今季はレッドブルのリザーブ兼F２等に参戦）を組ませる方がより可能性の高い展開であり、この案はサマーブレイク前にすでにレッドブル首脳陣から示唆されていた」とも伝えている。
  　いずれにせよ、角田がレッドブル・グループで来季もF１シートを維持するのは容易でないことは明らかだと思われるが、ローラン・メキーズ代表は角田に対しては何の決定も下しておらず、今後も彼のサポートを約束。そして、その成長ぶりを認めてポジティブな評価を下している（スペインのF１専門サイト『F1i.com』より）。

「ユウキは昨季の終盤に非常に良い走りを見せ、また今季前半も非常に良かった。レッドブルでのシーズン前半は厳しい時期を過ごしてきたが、ベルギーでは前進が見られた。ブダペストは我々にとって最悪の週末だったが、それでも彼はペース的にはマックスに非常に近かった。予選ではわずか0.15秒差。通常、マックスからこのタイム差であればフロントローに並べるはずだ。彼は一歩一歩、着実に成長している。我々は、ユウキが新しいアプローチを示しているのを見ており、彼の成長を支えようとしている」

　前出の『THE RACE』は、「レッドブルとしては角田の好パフォーマンスを望んでいるものの、彼に与えられた猶予は、あとわずか数レース（今季はイタリアGPを含めて残り９戦）で、その間に自らを証明することだけである」と厳しく指摘している。それでも、本人は「オランダGPは僕にとって、進歩という点では最高の週末のひとつだった」（『F1.comより』と手応えを掴んでおり、ここから今後のキャリアのために何を示すのかは、要注目である。

構成●THE DIGEST編集部
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