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ラグビー

「自分たちの弱さも、手応えも感じた」ウェールズ戦、ロスタイムの逆転負けはなぜ起きたのか?【ラグビー日本代表】

向風見也

2025.11.17

圧巻のスピードで相手を翻弄した矢崎。敗戦となったが、手応えも掴んだ。(C) Getty Images

圧巻のスピードで相手を翻弄した矢崎。敗戦となったが、手応えも掴んだ。(C) Getty Images

 もっと言い訳しづらい敗因もあった。大事な場面でのミスだ。7―7で折り返した前半は、敵陣ゴール前に入りながらスコアしきれなかった回数が少なくとも3度はあった。

 ウイングの石田吉平は、前半15分に鮮やかな連携からフィニッシュも満足できなかった。

 
「(点を)獲り切らなきゃいけないところでスイッチオンする。練習から(その意識で)取り組んでいかないといけない」

 戦前の世界ランクは日本代表が13位でウェールズ代表は12位。今回は、年末にある2027年のワールドカップオーストラリア大会の組分け抽選会で、2順目でくじが引ける12位以内に入る絶好機だった。

 あらゆる意味で大きな魚を逃したチームは、10月下旬からの連戦で4連敗中でもある。ずっとペナルティー禍と決定力不足が響いているが、石田は「チームとしてまとまっている。(同じ)方向性は見られている」とも話す。

 長らく課題となっていた高いキックの争奪戦は、こぼれ球の処理も含めて改善しつつある。石田のトライのきっかけは、中盤でのキックコンテストでウイングの長田智希が踏ん張り、ルーズボールに反応したセンターのディラン・ライリーが一気にブレイクしたところにある。

 新アシスタントコーチのギャリー・ゴールドが教える鋭い防御も、不振気味のウェールズ代表を跳ね返すのには十分だった。

 層の厚さも示せた。リーチ マイケルら主力のフランカーが離脱したなか、同じ位置で先発の下川甲嗣は数的不利な局面での防御で、その下川に代わって入ったポールは後半35分頃の好スティールやワークレートで光った。

 この一戦限りで早大へ戻る矢崎由高は、最後尾のフルバックとしてカウンターアタック、キックチェイスで出色の出来。スピードは圧巻だった。

 大幅に若返りながら大敗を重ねた昨秋と比べ、組織も人も伸びているのは確か。石田はこうも続ける。

「自分たちの弱さも、手応えも感じています」

 タフなキャンペーンは続く。11位のジョージア代表に敵地でぶつかるのは、現地時間22日。高強度なトレーニングとハードモードの実戦を繰り返してきた面々は、進歩の実感を結果に昇華できるか。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

【動画】ラストプレーで痛恨のペナルティ…ウェールズvs日本戦ハイライト
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