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ラグビー

「23-24」無念の逆転負け… 齋藤直人が語ったラストプレーの真相 “2分間の判断” の真意

向風見也

2025.11.21

素早い球出しと臨機応変のキックで日本の攻撃にテンポをもたらした。(C) Getty Images

素早い球出しと臨機応変のキックで日本の攻撃にテンポをもたらした。(C) Getty Images

 本人はどう振り返るか。2日後のオンライン取材で自身の決断の根拠を示し、かつ、エディー・ジョーンズヘッドコーチらとの会話を引用して真摯に振り返った。

 どちらの考えも一理ありとするのが、この人なりのラグビーへの敬意である。
 
「ボールキープするには2分は長いと(スタンドオフとの)ハーフ団で共有していた。僕としては、残り2分で——(最初から)タッチを狙ったわけではないですけど——相手ボールであっても敵陣の奥深くにいられるのはポジティブだと思っていました。ただ、試合後にエディーさんなどと話して『あそこはボールを持っておくことがベストオプションだったんじゃないか』と。僕自身も、いま振り返って、あそこからフェーズを重ねられて逆転に至ったという面では…。次に同じ状況になった時に、同じことを繰り返さないようにしたいです」

 フランスのトゥールーズで2シーズン目の28歳。代表のリーダー格でもあるこの人が気にするのは、ひとつのプレーの是非よりも、全体傾向から見える検討課題である。

 複数のチャンスを逃したのを「常に集中はしていますが、そのなかでも『ここが本当にチャンス。ここでスコアをすることで試合の流れを持ってこられる』という認識を全員で持てれば」とする一方、「おそらく、全員が全員、急にプレー中にそれを察知するのは難しい」。まずは自分のような先導役が、妥当なプレー選択で周りをドライブしたいと語る。

 普段しないようなペナルティーの連続が失点を招いたことへは、こうアンテナを張る。

「前回(ウェールズ代表戦)のメンバーは、『ひとつのペナルティー、ひとつのミスで大きな流れを持っていかれて、それが勝敗に繋がる』という経験をした。ここから、ディシプリン(規律)に対してどれだけ危機感を持って取り組めるか(が鍵)」

 失意の黒星を糧に次戦を見据える。取材時の滞在先は東欧。22日に大型フォワードを擁するジョージア代表とアウェーでぶつかる。

 10月下旬からの対強豪国5連戦は4連敗中だ。ハイテンポなパスさばきでもならす努力家は、結果論者に好結果を差し出せるか。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

【動画】ラストプレーで痛恨のペナルティ…ウェールズvs日本戦ハイライト
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