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ラグビー

残り2分、“幸運と執念”が呼んだ反撃 ラグビー日本代表、ジョージア戦の衝撃ラストはいかにして生まれたか?

向風見也

2025.11.24

 柔軟性もにじませた。アタックがやや機能不全だったと見た李は、「あまりボールを持ちすぎないようにした」。自身およびスクラムハーフの齋藤直人の位置から、コンテストボールと呼ばれる高い弾道のキックを多用した。
 
 そのうちのいくつかは絶妙な飛距離で、日本代表の追っ手が競って再獲得できたこともあった。空中戦は一時課題だったものの、この2試合で改善傾向にある。李は続ける。

「テンポをコントロールしてキックゲームに持ち込むところはうまくいった」

 10月下旬以降は上位国に4連敗。特に15日のカーディフでのウェールズ代表戦では、様々な局面で際立ちながら23―24で散った。失敗を糧に、我慢比べに必要なファクターを揃えてこの日に至ったのだ。

「自分たちで勝利を手放してしまうなかでも、チームとして毎週、前進しようと思っていました。僕たちが一番、心も身体も痛かったですが、しっかり勝とうと準備してきた」

 さらにありがたくも訪れたラストチャンスの場面でも、グループは落ち着いていられた。

妨害行為が目立ったジョージア代表の傾向を踏まえ、24歳のプレーメーカーは「ショートサイド(狭い区画)でキープするより展開したほうがペナルティーを誘えそう」。実際、1次目で左から右へと大胆にパスを回し、ポールの6フェーズ目に繋げた。

「僕のコール(指示)に対して一人ひとり(役割を)遂行してくれた。(その直前に)トライを取られてからもネクストジョブにフォーカスできた」

 最近は相次ぐ故障離脱者がかさみ、今度の登録23人中13人がキャップ(テストマッチ=代表戦出場数)1桁台。かくも厳しい条件下でも笑って終われた。10月に30歳で代表デビューのポールは、「いい形でツアーを終わりたかった。ジャパンでプレーするにはベストを尽くしたかった」と安堵した。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

【動画】劇的な逆転勝利!ジョージア戦ハイライト
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