専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ゴルフ

黄金世代で一二を争う「努力家」。小祝さくらが2年連続でトップ10入りできた理由【黄金世代の歩み】

山西英希

2020.06.01

「一つの技術を習得するのに時間はかかりますが、一度身につけたらまずミスしませんね」と辻村コーチ。例えば、パッティングの距離感と出球をコントロールするために、ホームセンターで購入した幅5センチ、長さ1メートルの薄い鉄板を与えたことがある。その上にボールを乗せてストロークするが、なかなか最後まで転がり切れない。「フェースの芯でとらえなければ真っ直ぐ転がらず、最初のうちはすぐに落ちてしまいました。相当イライラしましたね」と小祝は言うが、ラウンドの前後はもちろん、宿泊先のホテルなどで暇さえあればボールを転がし続けた。その結果、最後までボールが転がるようになり、結果的に2.5メートルぐらいの距離を入れる確率が一気に増したのだ。
 
 また、昨年1月に約1カ月間行ったハワイ合宿では、バンカーの目玉を打つ練習を辻村コーチから指示されると、毎朝2時間始めることから1日がスタートしていたという。バンカーショットだけではなくアイアンショットの練習にも通じるらしいが、単調な練習を続けることを苦にしないところが小祝の強さでもある。まさに“継続は力なり”を地でいくタイプなのだ。

 2年続けて全試合に出場し、現在77試合連続出場中の小祝。「欠場すると過酷な練習が待っている分、試合に出たほうが楽なんです」というが、どれだけハードな練習をしているのか想像すらつかない。今季は新型コロナの影響でシーズン開幕が遅れているが、来るべきXデーには技術的にも体力的にも一段と成長した姿を見せてくれるだろう。

取材・文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

【PHOTO】2019年にツアー初勝利!賞金ランクも8位につけた小祝さくらの厳選フォトギャラリー!

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号