ただ、原のポテンシャルを考えれば、ツアー１勝というのはちょっと寂しいかもしれない。ジャンボは次のように語る。「結果はともかく優勝争いを増やしてほしい。フィジカルも向上しているし、あとは本人次第だね。安定して自分のゴルフを見せるのが大切。いいときと悪いときがはっきりするのは実力者じゃない」と手厳しい。その話は原自身にもしているのか、今年のオフには目一杯自分をいじめたという。「昨年は後半戦で上位に入ることが少なかったので、最終戦までパワーが続くようにトレーニングで自分を追い込みました。できれば、シーズンに入ってもトレーニングは継続したいですね」と、息切れ気味だった過去２年を反省し、高いレベルでの完走を目指す。
  　今季の目標は早い段階でのツアー２勝目と賞金ランキング５位以内という原。そのためには、アプローチとパッティングの精度をいかに上げるかだが、幸いにも今年は、２月に豪州で開催された米女子ツアーのＩＳＰＳ　ＨＡＮＤＡオーストラリア女子オープンに出場。4日間戦って25位タイに入った。順位以上に収穫だったのは、実戦でアプローチなどのショートゲームを行なったことで、自分の課題が明確にできたことだ。それから数カ月経過し、上手く解消できていれば、原が目指す総合力の底上げにつながるだろう。将来的には海外ツアー参戦も考えているだけに、その足掛かりとなるシーズンにしたいところだ。

取材・文●山西英希

著者プロフィール／平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米ＰＧＡツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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