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ゴルフ

止まらなかった悔し涙…重圧に苦しんだ高橋彩華が初のシード権を獲得するまで【黄金世代の歩み】

山西英希

2020.06.04

 振り返ってみれば、パッティングの調子が悪くなったのは、最初に受けたプロテストの前あたりからだ。畑岡に勝った選手として、勝みなみや新垣比菜らジュニア時代からトーナメントで上位に顔を出していた選手と同じレベルで注目を浴びた。絶対に受からなければいけないと自分を追い詰めたことで、手がスムーズに動かなくなった。パターを何本も替えるなど試行錯誤したものの、そう簡単には解消しなかった。2年ほどかけてようやく調子を取り戻したものの、まだ本物ではなかったのだろう。

 それでも、優勝争いというこれ以上ない緊張感の中でプレーできたことは大きな財産となった。ニチレイレディスの後、6試合でトップテンに入り、最終的に賞金ランキング19位で初のシード権を獲得した。特筆すべきはパーオン率で4位に入っていること。それだけアイアンショットに安定感がある証拠だ。課題のパッティングもシーズン終盤は安定していただけに、今シーズンは大きく飛躍する可能性もある。
 
「まずは1勝するのが目標です。あとはメンタル面を強くすることですね」という高橋。今年から東芝と所属契約、JUN&ROPE‘とウエア契約を結んだが、それだけ周囲からの期待も大きいことが分かる。できればその期待に応えたいところだが、本人が目標とするように、プレッシャーに負けないぐらいの強いメンタルを手に入れるかどうかによるだろう。

取材・文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

【PHOTO】賞金ランク19位と飛躍した”黄金世代”の高橋彩華をピックアップ!

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