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ラグビー

ラグビーワールドカップ2007年大会は「ONE TEAM」の礎!大野均&大西将太郎“同期の桜”が振り返る伝説のカナダ戦

THE DIGEST編集部

2020.07.11

──大野さんはその後2011年、2015年大会にも出場されましたが、日本代表は2007年大会からどのように進化していったと考えていますか?

大野 この試合で引き分けた日本代表は勝ったように喜んでいましたが、次の2011年大会の同じカナダ代表との引き分けは負けたかのようでした。うれしかった引き分けが次は悔しくなった、というところが本当に小さいながらも成長だったのかもしれません。2015年大会で南アフリカ代表に勝てたのもそういった経験があったからこそだと思っています。

──日本代表が当時から受け継いでいるものがあるとすれば何でしょうか?

大西 外国人選手が“助っ人”のような存在ではなくなったことでしょうか。日本代表として日本のために、桜のジャージのために、という感覚が強くなったのは2007年大会からだと思います。ラグビー界自体、グローバル化が進んでいた変化のタイミングでした。

大野 この大会で様々なルーツを持つ選手たちが一緒になり、多様性のベースができたことが後の2019年大会につながっていったと考えています。JK(ジョン・カーワン ヘッドコーチ)がジャパンのキーワードに「武士道」を据えてくれて、ルーク・トンプソン、ハレ・マキリ、フィリップ・オライリー、ブライス・ロビンス、ルアタンギ・侍バツベイ、みんな桜のジャージのために勝ちたいと思ってくれていました。外国人選手がそのように思ってくれるような礎を作ってくれたメンバーだと思います。
 
──あらためてカナダvs日本戦の見どころ、注目してほしいポイントをお願いします。

大西 得点シーンは少なかったかもしれませんが、ひとつひとつのぶつかり合いや接点の激しさに力が入る一戦で、ワールドカップに消化試合はないということをあらためて思わせてくれた試合でした。ボルドーとはあまり縁のない日本とカナダの試合に満員のお客さんが集まってくれて、日本でもあのようなシーンを作りたいと思わせてくれた試合でもあります。去年のワールドカップでそれが実現されたことはすごくうれしく思っています。

大野 カナダもジャパンも気合がみなぎっていて、ラグビーの醍醐味であるコリジョン(ぶつかり合い)が楽しめる試合だと思います。しょっさんらバックスの選手もガツガツ当たっていましたし、客観的に見てもすごくおもしろい試合だと思いました。

──今春、多くのファンに惜しまれつつ現役を引退した大野さんですが、長く現役生活を続けることができた理由やモチベーションはどのあたりにあったのでしょうか?

大野 若い時は「何としても試合に出たい」という思いで、試合に出られるようになってからは「出て当然だ」という態度をせず、ベテランになってからは若手に「おっさんでもがんばっているから自分もがんばろう」と思ってもらえるように、という形でその時その時によってモチベーションは変わっていきました。単純にラグビーをプレーすることが好きだったこと、スタジアムでいろいろな方に声をかけてもらったこともその大きな要因ですね。
 

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