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「好きになってもらえる自信はある」見た目は華やかだが、かなり“過酷”な女子ホッケーの魅力

内田暁

2020.08.16

日本女子ホッケーは、ソニーとコカ・コーラレッドスパークスが2強となっている。激しくも華やかな試合は一見の価値がある。写真:内田暁

日本女子ホッケーは、ソニーとコカ・コーラレッドスパークスが2強となっている。激しくも華やかな試合は一見の価値がある。写真:内田暁

 そんな彼女に再び目標を与えたのは、葉月の姉の友理だろう。今年からソニーのキャプテンに就任した友理は、従来の中盤を省略しがちだった基本戦術を、ミッドフィルダーを経由し中から崩す構築型へと組み替えた。その戦術の要にはチームの一体化があり、さらにその先には、世界がある。

「新しい戦術に変えてから、ミッドフィルダーたちが明らかに楽しそうにプレーしてるんです」

 守備の要であり、日本代表のキャプテンも努めた内藤夏紀も、笑顔でそう証言した。

 7月下旬――日本女子ホッケー界の2強、ソニーとコカ・コーラレッドスパークスとの間で練習試合が行なわれた。談笑を交わす両チームの選手たちの多くは、本来なら今頃はチームメイトとして、東京オリンピックの舞台に立っていたはずだ。

 そのような“あり得たはずのフィールド”に、心が捕らわれぬはずはない。それでも選手たちは今、目の前のフィールドだけを見ようとしている。
 
 ホッケーのフィールドは、サッカーのそれより一回りほど小さいだけ。だが試合展開のスピード感は、バスケットボールのそれだ。
 
 両チーム合わせ20名のフィールドプレーヤーたちが、常に全力で走り回る。ボールが空を切り激しく行き交う。三次元空間を用いて相手を抜き去るドリブル、ゴールに背を向けたまま放つシュート――洒脱な技巧の数々も、観る者の感嘆の声を誘う。

「ホッケーは観ても楽しいスポーツ。一度見てくれたら、好きになってもらえる自信はある」

 以前、永井葉月が口にした言葉が、ふと胸に蘇った。

 8月の中旬には、新たな日本代表メンバーの選考会が行なわれる。

 凛とした桜たちは、百花繚乱の時に向け、蕾をつけはじめている。

文●内田暁
 

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