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ゴルフ

不振だった渋野日向子は、なぜ「今年一番のゴルフ」をできたのか。素人目にも分かる3週間前との明らかな変化

山西英希

2020.09.11

攻めのゴルフをできたことも初日の好成績につながった。(C)Getty Images

攻めのゴルフをできたことも初日の好成績につながった。(C)Getty Images

 また、変化と収穫は他にもあった。パッティングスタイルを構えたときに左手が低い位置にくるクロスハンドグリップに変えたことだ。『全英女子オープン』で予選落ちした翌日から始めたというが、米国に移動してからもずっとクロスハンドでボールを転がし続けた。

「今までのスタイルだとパンチが入るので、今回のように速いグリーンには合っていないと思ったんです」

 これまで遊び感覚で試したことはあっても、本格的に挑戦することはなかった。しかし、いざ試してみると、「距離感をつかめるようになっただけじゃなく、ストローク中に頭が動いたり、左肩が浮く癖もなくなったんです。肩のラインを平行に保てる分、思ったとおりに転がってくれました」と笑顔を見せた。
 
 実際、8番では約7メートルのパーパットを残していたが、見事にそれを沈めてピンチを脱した。「最初がフックで最後がスライスというスネークラインでしたが、以前の打ち方だったら、入っていなかったでしょうね」と、新スタイル効果を強調していた。

 ホールアウト後、渋野は何度も「今年一番のゴルフができたと思います」と強調していた。アンダーパーをマークしたのは今季初であり、メジャーでのアンダーパーは昨年の全英女子オープン最終日以来になる。「攻めの気持ちを忘れていたところがあったと思います。米国入りしてからはグリーンの速さとか関係なく、ピンを狙って振り抜く攻めのゴルフだけをしていました」という。

 考えてみれば、それこそ渋野本来のゴルフスタイルだったはずだ。ようやく自分を取り戻した渋野。まずは今季初の予選通過に大きく近づいたことは確かだ。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
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