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ゴルフ

「自分のゴルフには安定感がない」米ツアーの怖さを知った渋野日向子、残り3試合で試されるのはメンタルの強さだ

山西英希

2020.09.14

 確かに同学年の畑岡奈紗は最終日もしっかりとスコアを伸ばし、通算9アンダーで7位タイに入った。4日間のフェアウエーキープ率は75パーセントでパーオン率は79・17パーセントと恐ろしいほどの安定感だ。その畑岡にしても今年が米ツアー4年目で、芝への対応や攻め方も慣れている。今大会でのコースの攻め方を見ても、これまでの経験を十分生かしていた。その畑岡を引き合いに出すのはナンセンスではないか。

 おそらく、渋野は今大会を4日間戦ったことで、さらなる課題を見つけたはずだ。ラフからの打ち方やグリーン周りでこの状況ではこういう打ち方が適しているなど、今後は具体的なテーマを掲げて練習に取り組むだろう。パッティングにしても、今回から取り入れたクロスハンドグリップのスタイルがある程度通用することが分かったが、最終日は「上り・下りでのタッチや、フック・スライスでのタッチが合っていませんでした」とどこかに問題があることを理解していた。当然、次戦に向けて微調整し、精度を上げてくるのは間違いない。
 
 あえて不安なところを挙げるとするなら、メンタルだろう。「一つのミスを引きずってしまうというか、切り替えようと思ってもなかなか切り替えられなかった」と言うように、集中力が切れた状態で後半のハーフはラウンドしていた。

 メジャーはもちろんだが、平場の試合でも集中力が切れたら、すぐにボギーやダブルボギーになるのが米ツアーのコースセッティングでもある。怖さを知れば知るほど、メンタルの強さが試されるが、そこをどう乗り切るかによって、今後飛躍できるかどうかの期待度が変わってくる。どちらにせよ、帰国するまでにまだ3試合残っている。3試合目の全米女子プロゴルフ選手権に向けて、少しでも経験値を上げておきたいところだ。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
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