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フィギュア

「デビュー戦としては満足」注目の村元&高橋組はアイスダンスで2位発進。女子は坂本花織、男子は鍵山優真がSP首位に【NHK杯】

辛仁夏

2020.11.28

GP初優勝を狙う坂本。ほぼ完ぺきな演技で首位発進を切った。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

GP初優勝を狙う坂本。ほぼ完ぺきな演技で首位発進を切った。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 女子シングルのショートプログラム(SP)では、平昌五輪代表の坂本花織が75.60点で首位発進。最終滑走者としてほぼ完ぺきな演技で締めくくった直後、どや顔の笑顔とともに力強い両手ガッツポーズが飛び出した。初出場のNHK杯の目標は、ずばり初優勝。そのために、SPでは約5年ぶりという3回転ルッツを跳び、基礎点が1.1倍になる演技後半には3回転フリップ+3回転トーループを成功させるなど自己最高のジャンプ構成を組んだ。

 ジャンプのGOE加点も狙い通りに引き出した坂本。「応援が曲よりも聞こえてきて、すごく気持ちが盛り上がった。試合ってこんな感じやなと改めて思いました。大きな舞台でこの構成で成功できたのは自信になります。この構成でやって良かったと思いますし、全日本選手権に向けて前向きな気持ちでできると思います」と会心の出来に満足そうだった。
 
 トップの坂本を追いかけるのは、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)という武器をあともう少しで習得しようとしている樋口新葉だ。今大会では、初めてSPで大技に挑戦したが、転倒して成功とはならなかった。それでも、失敗を引きずることなく、その後は昨季と同じプログラム「バード・セット・フリー」をより洗練された演技でまとめ、69.71点で2位。大技習得まであと一歩の樋口は「SPでトリプルアクセルを跳んだのは、やっぱり点数を取るため。1週間前から入れて練習してきた。今日の試合は正直、歓声も拍手も聞こえないくらい、緊張と集中していた」と気合いの演技を苦笑いで振り返っていた。

 2年前のGPスケートカナダで2位の実力を持つ山下真瑚は67.56点で3位につけ、4位には1番滑走のプレッシャーをはねのけて堂々の演技を披露した全日本ジュニア女王の松生理乃が65.74点と好スタート。2016年世界ジュニア女王の本田真凜は、シニアデビューの平昌五輪シーズンで使ったお気に入りのナンバー「The Giving」の曲に乗って紫の衣装を身に纏い、可憐な演技を披露したが58.30点の9位と出遅れた。優勝候補のユ・ヨン(韓国)は武器のトリプルアクセルと3回転ルッツで連続転倒して得点が伸びず、最下位スタートとなった。
 

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