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三強の戦いは、無敗の三冠デアリングタクトが優勢か?【ジャパンカップ】

三好達彦

2020.11.28

 さて、土曜の時点で単勝1番人気に推されているアーモンドアイだが、彼女の実績についてはもはや説明する必要はないだろう。実際、3歳時にジャパンカップを2分20秒6という驚異的なレコードタイムで制して、日本ばかりか、世界中の競馬関係者やファンにその名を鳴り響かせたことはまだ記憶に新しい。5歳牝馬のジャパンカップでの成績を見ても、牝馬ながら日本ダービーを勝ったウオッカ(09年)、天皇賞(秋)を制したブエナビスタ(11年)の2頭が出ており、歴史に名を残すレベルの名牝であれば年齢がハンディキャップにならないことは証明されている。

 それでもあえてウィークポイントを探せば2点が思い浮かぶ。
 一つは、前走の天皇賞(秋)のレースぶりである。彼女はここで同レースの2連覇を達成したのだが、昨年の2着に3馬身差をつける圧勝劇と比べると、ことしの勝利が半馬身差でのもので、レース前半に不利を受けて後方から進まざるを得なかったフィエールマンとクロノジェネシスに激しく詰め寄られたシーンにはネガティヴな意味で驚かされた。筆者の正直な感想を述べると、絶対女王であれ、やはり能力のピークは少し過ぎてしまったのかも…という感想を持った。
 
 またもう一つの点は、昨秋以降、休養後の使い始めから2戦目で着順を落とす傾向が出ていることだ。昨年は天皇賞(秋)を勝ったのちに臨んだ有馬記念で9着に大敗。今年もヴィクトリアマイルで4馬身差の圧勝を遂げたあと、勇躍臨んだ安田記念は2着に敗れている。安田記念に関しては、距離適性の面で勝ったグランアレグリアに分があったという考えも成り立つが、3歳時からレース直後にはフラつくほどの疲労を見せていた”一走入魂”型のアーモンドアイである。年を重ねるにしたがって、疲労回復に時間を要するようになったのでは、という問いが頭をもたげるのも確かである。

 アーモンドアイが9つ目のG1タイトルを手に入れ、記録尽くめの勝利でラストランを飾るのか。それとも勢いにまさるコントレイル、デアリングタクトの3歳2騎が”絶対女王”に引導を渡すのか。筆者は、能力の伸びしろが大きく、斤量に恵まれるデアリングタクトに魅力を感じるが、さて……。

 泣いても笑っても一度きり、文字どおりの”世紀の大一番”を存分に楽しみたい。

文●三好達彦

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