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ゴルフ

シーズン未勝利となった畑岡奈紗の“成長したスタッツ”。もし例年どおりの試合数だったなら…

山西英希

2020.12.31

 米国に戻り、畑岡にとっては最後の締めくくりとなる終盤4試合を迎える。『全米女子オープン』前週に開催された『ボランティア・オブ・アメリカクラシック』で11位タイに入り、メジャー制覇への期待が高まったが、いざふたを開けるとショットとパットがかみ合わず、『全米女子オープン』では23位タイ、最終戦は38位タイに終わる。

 コロナ禍の中、米ツアーで12試合に出場したが、3年連続優勝は達成できなかった。「もうちょっと試合数があれば勝つチャンスはあったかなと思います」と最終戦後に語っていた畑岡だが、仮に例年どおりの試合数だったなら、1勝どころか2、3勝はしていたのではないか。というのも、数字がそれを証明しているからだ。

 平均ストロークは70・11(10位)で年間2勝を挙げて賞金ランキング5位に入った18年(70・10、10位)と比べてもほぼ変わらない。しかし、パーオン率では18年が69・92%(47位)だったのが、20年は70・21%(21位)と上がっている。フェアウェイキープ率も18年が72・16%(78位)で20年が74・34%(64位)、ドライビングディスタンスも18年が257・68ヤード(42位)で20年が261・10(27位)と軒並み数字を上げているのだ。身長が158センチと小柄でも、数年前から続けているトレーニングで体幹や足腰をしっかりと鍛えてきた成果だともいえる。
 
 極端な話、スタッツだけ見ればいつメジャーに勝ってもおかしくはないし、世界ランキングで7位にいることも十分納得できる。畑岡にしてみれば、メジャー制覇と世界ランキング1位は大きな目標でもあるが、そのためには「もう少しショートゲームを磨くことです」とアプローチとパットの精度を上げることが課題だと語る。試合数の激減や隔離生活など例年とは状況が変わる中、結果を残したことを考えれば、畑岡が20年に得たモノは着実なベースアップだといえるだろう。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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