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格闘技・プロレス

浅倉カンナが挑む浜崎朱加への特別な思い「倒してこそ、本当の王者になれる」【RIZIN.27】

保坂明美(THE DIGEST編集部)

2021.03.20

昨年大晦日で戦ったあいとの試合は3-0の判定勝ち。にも関わらず、浅倉から出てきたのは試合を悔いる反省の弁だった。(C)RIZIN FF

昨年大晦日で戦ったあいとの試合は3-0の判定勝ち。にも関わらず、浅倉から出てきたのは試合を悔いる反省の弁だった。(C)RIZIN FF

「自分はあまり器用なほうではない」という浅倉にとって、現在は、全ての試合が学びだ。「冷静に戦いすぎたのも緊張感が少し足りなかったのかもしれません。そういう“気持ち”をしっかり持ってリングに上がるのも格闘家の仕事。全てが整ってから試合に臨めるようにしたいです。もちろん次は私のほうがチャレンジャーなので、より気持ちは作りやすいのかなと思います」と精神面に関しても、経験を重ねている。

 試合に臨むにあたり、計量後に必ずこれを食べるなどといったルーティーンはなく、リングインする前にジムの代表に背中を叩いてもらうのがいつもの決まり事という浅倉だが、それには理由がある。「ルーティーンができなかった時に不安になるのは嫌だし、あれしなきゃ、これしなきゃって追われないようにしたいんです。でも…」と23歳の笑顔を見せて続けた。

「あまり色々考えるタイプではないので、そもそも何も気にしてないのかもしれない。実はなんも考えていないのかも(笑)」

 試合前の入場でも、「もっとカッコよく歩きたいんですけどできなくて…」といつも自然体で、良い意味で格闘家らしくはない浅倉だが、それゆえに親しみやすさを感じるファンも多くいることだろう。YouTubeでの発信も彼女の人柄が伝わってくる。
 
 この試合に先立ち榊原信行CEOは「女子の選手に活躍の場をしっかり与え、それにファンの人たちがワクワク、ドキドキして『今日の試合は最高だったね』というメインを選手が務められるかどうかがかかっている」と語っていたが、それを受けて「やっぱり責任感みたいなものが出てきました。そう思っていただいているならそれ以上のものをお返ししないといけないなって。メインとしてしっかり、めちゃめちゃいい試合だな、って思ってもらえるような試合がしたいです」と浅倉は再び気持ちを引き締める。

「初代の王者をかけて浜崎さんとベルトをかけて試合させてもらったのですが、その後、またベルトが動いたり外れたりしたこともありつつ、また浜崎さんが持っている。再びリベンジできる、戦えるというのはあまりあることではない。彼女を倒してこそ、本当の王者になれるという思いがあります」

 自らが“世界一強い”と思っている相手を倒すチャンスを前に、光の射すリングに歩みを進める浅倉の目には、どのような炎が宿っているのだろうか。そしてこのビッグマッチを終えた後、羅針盤はどの道を指し示すのだろうか?

文●保坂明美(THE DIGEST)

【動画】RIZIN.27浜崎朱加vs浅倉カンナ。お互い負けられない試合への思い
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