ブラジルの専門メディア『autoracing』も、「角田は素晴らしいドライバーでレッドブルの次期ドライバー候補であり、マゼピンは過去10年間で最悪のルーキー。という判断を下すのは早すぎる」と見ている。

　同メディアの場合、各ドライバーに注目し、「侍ユウキ」についてそのデビューレースでのパフォーマンスを絶賛し、「（ブレーキングが最も上手いといわれる）ダニエル・リカルドを思い出させる」とも綴ったが、一方で「見る側は落ち着く必要がある。アルファタウリの今季のマシン『AT02』がこれまで走ったのはバーレーンだけであり（プレシーズンテストの会場もバーレーン）、違うサーキットでの走りを見なければならない」と指摘する。

　また、過去の日本人ドライバーを振り返り、小林可夢偉が2009年ブラジルGPで王者ジェンソン・バトンを18周にわたって抑え込み、最高３位まで浮上して一気に注目と期待を高めたものの、同メディアは「悪いドライバーではなかったが、その後のキャリアは期待したほどのものではなかった」ということで、角田に関しても今後のレースを見守る必要性を訴えた。
  　一方、マゼピンについては、2006年にスーパーアグリからデビューするも４戦でスーパーライセンスを取り消された日本人ドライバーの名前を出して、「『新しい井出有治』になるとは言い切れない」と記述。この22歳のロシア人が、各カテゴリーで攻撃的過ぎ、時にスポーツマンシップに欠けるレースで悪評を受けてきたものの、「決して車を真っすぐに走らせられないドライバーではない」と擁護（？）している。

　富豪である父親からの資金がハースに入り、焦って結果を出す必要がない環境が、彼の能力を開花させる可能性も否めないとして、同メディアはやはり、プレシーズンや最初のレースだけで判断を下すべきではないと主張した。

　次戦は４月16日からイタリア・イモラで開催されるエミリア・ロマーニャGP。角田にとっては、冬に十分過ぎるほど走り込んだサーキットであり、ここで再び見る者に驚きを提供できるか。一方、ハース勢は苦戦が予想される中で、それぞれ輝きを放つことができるか。ルーキーたちの争いにも要注目である。

構成●THE DIGEST編集部

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