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モータースポーツ

「紳士協定を破った」壮絶クラッシュのボッタスとラッセル、謝罪文で遺恨は収束か。メルセデス代表から厳しい言葉も

THE DIGEST編集部

2021.04.21

 この争いには、メルセデスのトト・ウルフ代表も参戦。ラッセルに対して「路面が乾きつつある状況で、あのような仕掛けをするべきではなかった」と主張。彼がメルセデスの育成ドライバーであることが、余計に不満や怒りを増長させたようで、「リスクがある状況で、ましてや前にいたのはメルセデスのマシンだ。育成ドライバーなら、広い視点を持っていなければならない。彼にはまだ、学ぶべきことが多くある」と厳しい言葉を投げかけた。

 この言葉が効いたのかどうかは定かでないが、ラッセルはレース翌日にSNSで「時間が経ってみると、もっとうまく対応すべきだったことが分かった。その場の勢いで感情が高ぶり、我を忘れてしまった。ヴァルテリやチーム、そして僕の行動で失望した人たちに謝りたい」と謝罪文を投稿している。

 スチュワードからもレースインシデントと判定され、これでこの件は収束したが、ラッセルとメルセデスの関係悪化を懸念する声も少なくない。これに対し、モータースポーツの専門メディア『Crash.Net』は「メルセデスがラッセルを高く評価しているだけに、今回の一件だけで彼に害が及ぶことはない。このようなアクシデントが繰り返されれば話は別だが……」と見ている。
 
 ウルフ代表も「ジョージは早くメルセデスのシートに座りたかったんだろう(笑)」とレース後に冗談を口にしているが、この件よりも彼を悩ませるのが、大破したマシンを修復するためのコストだと同メディアは指摘する。

 今季より予算制限が課せられているにもかかわらず、ボッタスはほぼ全損、ハミルトンもフロントウイングを破損させており、これらを元通りにした上に、なおかつシーズンを通してアップグレードを進めていかなければならない。

「最大のライバルであるレッドブルに対してアドバンテージはないとメルセデスは自覚しており、熾烈なタイトル争いのためには、マシン開発の進歩は非常に重要である」と同メディアは主張する。このイモラでの一連の出来事は、王者メルセデスの今後にいかなる影響を及ぼすのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】ボッタスのマシンはほぼ全損…イモラGPで最も話題となったラッセルとの派手なクラッシュシーン
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