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バレーボール

「女帝を狙撃して破裂した」双子姉妹の“悪質いじめ騒動”を招いた、キム・ヨンギョンの絶大なカリスマ性【東京五輪】

THE DIGEST編集部

2021.08.01

 2020―21シーズンを前に、興国生命は2大補強に成功する。海外でプレーしていたキム・ヨンギョンがコロナ禍にあって11年ぶりの国内復帰を決め、古巣である同クラブが獲得したのだ。さらに、強烈アタッカーで鳴らすイ・ジェヨンの妹で名セッターのイ・ダヨンも招聘。スター軍団を完成させたチームは快進撃を続け、連勝街道をひた走った。

 しかし、徐々にキム・ヨンギョンと姉妹の間に軋轢が生まれる。プロ魂の塊でストイックなベテランに対して、姉妹は芸能人さながらの立ち居振る舞いで自由奔放さが際立つ。衝突が絶えず起こるようになり、ダヨンがジェヨンにばかりトスを上げるなどプレー面にも悪影響を及ぼしていく。

 そして、とりわけ険悪だったダヨンが大胆な行動に出る。インスタ上に、自分がチーム内でとある人物から酷いいじめに遭っていて、辛い毎日を送っていると告白したのだ。明らかにキム・ヨンギョンを指す記述で周辺をざわつかせ、やがてマスコミが取り上げるようになる。

 すると、一連の記事を読んだ中学時代のチームメイトたちが激怒。ダヨンがいじめの被害者ぶっている点に我慢ができないとばかりに、姉妹が過去に犯した非道ないじめ行為を暴露する決断を下したのだ。韓国メディアは「あろうことか、国民の誰からも愛されているアイコンに喧嘩を売った代償だ。女帝を狙撃すれば、その報いは相応のものとなる。結果、ふたりは破裂したのである」と評し、自業自得だと断じた。
 
 姉妹の一件でチームが空中分解しかけても、キム・ヨンギョンは持ち前の統率力で見事に束ねて、興国生命を一時的にV字回復させたのだから圧巻だ。しかし、ヨンギョンはシーズン終了後に中国の上海への移籍を発表した。騒動に関連したことに責任を感じたのかどうかは定かでないが、真面目な選手本人の性格からして、無関係とは言い切れないだろう。

 そんなキム・ヨンギョンの元で、一枚岩となっている韓国女子代表チーム。悲願のメダル奪取へ邁進するなか、決勝チーナメントでの日本との再戦にも期待したいところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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