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ゴルフ

上昇傾向の畑岡奈紗に“要求されるモノ”は? 日本勢初となるメダル獲得の可能性を探る【東京五輪】

山西英希

2021.08.03

 もちろん、五輪に出場する選手は強敵ばかりだ。表彰台の上に立つことは容易ではない。彼女らを押しのけて上位にいくためには、ティショットとアイアンショットだけでなく、パッティングを含めたショートゲームの精度も要求される。

 それでも、高温多湿な日本の夏を知っている点も畑岡にとって有利に働く。おそらく欧米選手たちにとって想像以上の蒸し暑さ中でのプレーは必至で、その環境下で彼女たちが高い集中力を保てるかも疑問が残る。過去のデータを見ても、海外招待選手がいきなり優勝した試合は春か秋がほとんどだ。

 ただ、気候的には日本よりもさらに高温多湿なフィリピンで育った笹生優花やタイ勢には影響するとは思えない。畑岡の前に立ちはだかるのは笹生、タイ勢かもしれない。
 
 また、バイオリズム的に見ると、6月第1週に開催された『全米女子オープン』では、笹生が優勝。畑岡は2位。7月第1週開催の『マラソンLPGAクラシック』では畑岡が優勝したが、笹生も5位タイに入っている。

 8月第1週に開催される東京五輪では畑岡も笹生も好調を迎えそうだ。畑岡が金メダルを奪取するためには、笹生を抑えることが必須となる。

 忘れてはいけないのが、もう一人の日本代表・稲見萌寧だ。一時期の勢いが衰えたとはいえ、今年だけで5勝を挙げた実績は揺らがない。本来の実力を発揮できれば、五輪でも上位に入る可能性はある。

 大会2週前には開催コースの下見を行ない、グリーンのスピードやラフの状況をじっくりと観察するという稲見。国際大会での実績のなさは気がかりだが、ここ一番での勝負強さが持ち味なだけに、周囲の雰囲気に圧倒されないことを願いたい。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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