画面上のテロップに文字で示された質問は、「サッカーも野球は負けてしまい、バレーボールだけが勝ちましたが？」だった。それに対してキム・ヨンギョンは「ありがとうございます、とても満たされた気持ちです」と返答している。

　これではヨンギョンが他競技の選手・チーム対してリスペクトを欠いたように聞こえ、実際にそう感じた視聴者も少なくなかったようだ。しかし、実際の記者の質問は「国民に希望を与えましたね」だったという。はたして意図的な印象操作だったのか、単なるミスだったのか。いずれにせよ、考えられない失態である。
  　あまりにもお粗末な公共放送の実態を受け、怒り心頭の社説を掲載したのが全国紙『中央日報』（日本語版より）である。「MBCの相次ぐ東京五輪放送事故、本当に公営放送なのか」と銘打ち、「勝利や結果だけを前面に出すスポーツ報道の旧習から抜け出すことができていない。オリンピックを国家間の競争として見ようとする古い国粋主義もまだ残っている」と断罪。「今回の論争をスポーツ報道、さらには韓国社会がもう一段階成熟する転換点とするべきだ。各種事故に対するMBCの原因究明、関連者の問責および再発防止策づくりは言うまでもない」との論調を突きつけた。

　猛省したうえで、しっかりと襟を正せられるのか。いまや韓国国内のみならず、世界中がその報道内容を注視している。

構成●THE DIGEST編集部

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