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「5年か10年は戻れない」亡命先へ旅立ったベラルーシ陸上選手が悲壮な覚悟を明かす「私の精神は壊れていない」【東京五輪】

THE DIGEST編集部

2021.08.05

 そして水曜日、ツィマノウスカヤは欧州に向けて旅立った。その直前、英公共放送『BBC』のリモート取材に応じ、「私は単にコーチ陣の理不尽を告発しただけです。政府批判などなにもしていません」と訴えつつ、「ただこうなったからには、帰国しても刑務所に入れられるだけです。選択肢はありませんでした」と説明。

 ベラルーシ選手団が「ツィマノウスカヤは感情的・精神的に問題が発生して、ドクターの指示により競技出場をキャンセルした」と発表した件に対しては、「私は精神的に壊れてはいないし、ドクターとは会ってもいません」と反論した。

 夫であるアルセニー・ズダネビッチ氏はウクライナへの脱出に成功しており、そこからポーランドに向かう予定だという。だがそのウクライナで8月2日、看過できない事件が起きた。亡命していたベラルーシ反政権派のリーダーがキエフ郊外の森林で遺体となって発見されたのだ。警察は自殺と他殺の両面で捜査をしているが、後者の可能性が高いという。同リーダーは数日前から誰かに尾行されていたようで、自身の身の危険を周囲に明かしていた。国外にしても、かならずしも安全ではなくなってきている。
 
 ツィマノウスカヤは「もちろん母国ベラルーシに戻りたい。いつか安全だと確信できれば……5年か10年はかかるかもしれません」と沈痛な面持ちで話した。

 ポーランド外務省は「我々はツィマノウスカヤさんを全面支援し、アスリートとしての今後についても協力できるはずだ」とのメッセージを寄せた。最後に選手本人は「私はまだ24歳。あと2回はオリンピックに出るつもりでいました。夢を諦めきれません」と決意を口にした。

構成●THE DIGEST編集部

【関連フォト】豪快にトラックを疾走するツィマノウスカヤの画像はこちら!

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