すでにポーランドで安全な居場所を確保したツィマノウスカヤ。ウクライナに脱出した夫のアルセニー・ズダネビッチ氏にも人道的ビザが発給されており、近々ワルシャワで再会を果たす予定だ。

　現地８月５日、ツィマノウスカヤはワルシャワで記者会見、および英公共放送『BBC』のリモート取材に応じ、やや落ち着いた表情を浮かべて騒動を回顧した。

　強制帰国を命じられてから、夫と両親にまず電話で相談したが、結果的には祖母の強いメッセージが亡命を決断させたという。羽田空港へ移動中の車中で交わしたその会話によって、事の重大さを認識した。

「祖母は電話口で、『絶対に帰ってきちゃダメ！　あなたはきっと捕まるわ』と叫んでいました。地元テレビでどんな報道がされているのかを教えてくれて、状況はかなり深刻だと知らされたんです。それでも私は信じられなくて、『本当に!?』と聞き返したら、祖母は『本当よ！　帰ってこないで！』と念を押しました。そのやりとりがあったからこそ、私は（日本の）警察に駆け込んだのです」
  　夫は脱出できたが、両親や祖父母はいまだベラルーシ国内にいる。「心配ではないか？」と問われたツィマノウスカヤは、「少しナーバスにはなっているけど、みんな大丈夫のようです。私のことを報じるテレビはいっさい観ていないようですが……。みんな私の潔白を信じ、なにが正しくて、なにが起こっているのかは理解してくれています」と気丈に話した。

　先行きは不透明だが、世界中から寄せられる励ましの言葉に勇気をもらっていると明かすツィマノウスカヤ。ベラルーシの人びとへのメッセージを求められると、「希望はあります。だからみなさん、もう恐れないでほしい」と呼びかけた。

構成●THE DIGEST編集部

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