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モータースポーツ

ロシアGPでのハミルトンとノリスの明暗はどこで分かれたのか?「残り8周」での決断を海外メディアが回想

THE DIGEST編集部

2021.09.29

 48周目に入った時、両者は0.0996秒とほとんど差がない状態だったが、ノリスが驚異的なマシンコントロールでハミルトンを抑え続けていた。この時、メルセデスはピットインを戦略のひとつとして真剣に考え始め、その前に14番手を走っていたヴァルテリ・ボッタスを47周終了時に先にピットに入れて様子を見ることを決める。このことを知らされたハミルトンは、「場合によってピットインもあり得る」とも伝えられるが、「滑りやすいが、雨はあまり降っていない」と否定的な返答をしていた。

 そして、間もなくタイヤを履き替えた後のボッタスのラップタイムが大幅に改善されたことが判明すると、メルセデスはハミルトンにピットインを命じたが、ノリスに肉迫し、なおかつバイザーにかかる雨粒も少なかったことから、ハミルトンは「彼(ノリス)はすぐ目の前にいるんだ」とこれを無視し、49周目に入る。

 この時点でノリスの頭にピットインの選択肢はなく、必死にハミルトンを抑えるとともに、無線で青旗を要求しながら、前に現われる周回遅れの車をかわしていたが、ボッタスとのラップタイム差は第2セクター通過の段階で5.3秒もの開きがあった。そして、メルセデスにとって決定的なポイントとなったのは、フェルスタッペンがピットインしたことだった。
 
 後に2位まで浮上するライバルの動きに反応し、メルセデスは再度ハミルトンにピットインを指示。しかし、ここでも7度のワールドチャンピオンは「雨が止んできている」と難色を示したことで、メルセデスは戦略に関する最高決定権を持つヘッドストラテジストのジェームズ・ヴァウルズが介入しようとしたが、先にハミルトンの方からピットインすることが伝えられた。

 一方、マクラーレンも多くの車がタイヤ交換を敢行したことをノリスに伝えたが、これに対する返答は「シャラップ!」……。そして、チームの「インターミディエイトに変えるのをどうだろう?」という打診(指示ではなく)についても、「ノー」と答えた21歳の英国人ドライバーはコースに留まり続けたが、ハミルトンはアウトラップだけで4秒もタイム差を埋めていた。
 

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