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モータースポーツ

ロシアGPでのハミルトンとノリスの明暗はどこで分かれたのか?「残り8周」での決断を海外メディアが回想

THE DIGEST編集部

2021.09.29

 50周目終了時のピットインを拒絶したことで、チームから「(優勝するには)もう、このタイヤで走り続けるしかない」と指摘されたノリスだったが、14秒995の差で突入した51周目、雨が強くなる中でターン5の入り口でスピンして180度回転。その傍らをハミルトンが通過していった。レースに復帰するも、本来なら8速全開のバックストレートで5速までしか入れられない状態で、首位との差はみるみる開き、完全に勝利の可能性は消え、遅ればせながら入ろうとしたピットでは白線越えの違反を犯して罰則を受けることに……。

 こうして波乱のレースは終焉を迎えたが、キーポイントとなったのは、ボッタスがタイヤ交換の効果を明確に示したこと、そしてフェルスタッペンの動きなど、メルセデスにはピットインを決断するための材料が揃ったのに対し、マクラーレンにはそれがなかったことが挙げられるようだ。

 最終的にドライバーを従わせることができる権限をチームが持つメルセデス、対して実際にコースを走るドライバーからの情報をあてにしながら、決定もドライバーに任せるマクラーレンという、チームとドライバーの非常に興味深い関係性の違いも、結果に少なくない影響を与えた。
 
 ノリスやマクラーレンは「ギャンブルに負けた」と言えるが、同メディアは「後になってからなら何とでも言える」として、彼らの決断を責めることはできないと主張。「もし残り4周で雨が弱まっていれば、ノリスが勝利し、天才と呼ばれていただろう」と綴っている。

 今季のハンガリーGPでは、赤旗再スタート時に他車が全てピットでタイヤ交換する中、ハミルトンだけがスターティンググリッドに並び、直後にピットに入って最後尾に落ちるという判断ミスを犯したが、一瞬の判断や駆け引きが、レースの結果を大きく変えてしまうというF1の別の面の面白さが今GPでは見られたと言えよう。

構成●THE DIGEST編集部

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