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ゴルフ

“ピンチの連続”から6打差完勝を飾った勝みなみ。無双状態となった要因、そして屈指の飛ばし屋に変身した理由とは?

山西英希

2021.10.05

 ピンチを潜り抜けたことでリラックスできたのか、3番以降は一度もフェアウェイを外すことがなかった。

 しかも、時おり見せるビッグドライブで2打目をウェッジで狙うことができたのも大きい。硬く小さいグリーンでもピンそばにピタリと止めることができたからだ。さらに、この日は26パットとパッティングも冴え渡ったことも無双状態の要因だったといえる。

 身長157センチの勝は、プロデビュー当時に飛ばし屋のイメージはなかったが、今季はドライビングディスタンス部門で2位(254.71ヤード)につけている。実に2018年よりも10ヤード、19年よりも5ヤード伸びているのだ。

 その理由は数年前から続けているトレーニングにある。飛距離アップのためではなく、1年間ケガをすることなく戦える体を作ることを目的として始めたが、結果的に飛ばしに必要な下半身も自動的に鍛えられたことで、飛距離が伸びた。
 
 ただ、飛距離が伸びたことでアイアンの距離感が合わなかったり、自分がやりたいスイングをできずに戸惑ったこともあった。しかし、ようやくパワーをコントロールできるようになり、イメージどおりのスイングもできるようになってきた。

 将来的には米ツアーに参戦することも目指しており、欧米選手の飛距離に負けないためにも今後はパワー系のトレーニングを週2回に増やすつもりだ。

 昨年のシーズン当初はなかなか結果を出せず、「何をしても上手くいかない感じでした。不安がすごく大きかったですね」と、プレーに集中できない時期もあったという勝。そんな状況でも自分を信じて練習やトレーニングを続けてきたことで、今年5月の『リゾートトラストレディス』では2年ぶりの優勝を飾った。

 今回の優勝で自分がやってきたことに対してさらに自信が深まったのは間違いない。今季はまだ7試合残っているが、さらに勝ち星を上乗せする可能性は十分あるだろう。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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