現地月曜日、こうした韓国国内の動きを紹介したのが、世界的なネットワークを誇る米『CNN』だった。事細かにトラブルの顛末を紹介し、ギリシャ移籍が決まったことで姉妹への風当たりがさらに強くなっている事実などを伝えたのである。

　これを受けて、ギリシャ・メディア『Force Online』がPAOKのタキス・フローロス監督にコメントを求めた。PAOKのチームスタッフが姉妹の絡んだ騒動に言及するのは初めてで、「校内暴力事件はもうずっと前に起こった出来事じゃないか。国際連盟でさえ移籍を認めているんだぞ？　なにが問題なんだ？　韓国のファンはふたりに修道院にでも行って、３か月間もずっと自粛していろとでも言うのか」とまくし立てた。

　かなり刺激的な発言だ。複数の韓国メディアが反発の姿勢を打ち出し、ニュースメディア『news1』は「PAOK監督が嘲笑した」と銘打って辛辣な論調を展開した。

「新たな教え子となる姉妹に対し、励ましの意味も込めて発したコメントだろうが、いまだ傷が癒えていない被害者たちや韓国のファンを愚弄するものだ」
  　さらに『news1』は、ギリシャ・メディアの『SDNA』が「双子姉妹のギリシャ・リーグ参戦は大歓迎だ。大きな関心を集めるだろうし（とくに韓国からだ）、リーグに特大の息吹を与えてくれるに違いない」と報じた内容も疑問視している。

　ギリシャ・リーグは３人の外国籍選手が出場できるが、PAOKにおいて両選手のスタメンはほぼ確実と見られている。なんだかんで韓国国内でもプレーぶりがつぶさに報じられるだろうし、この先も話題には事欠かないだろう。

　言うなれば、過去に前例がない「アンチ・ヒロイン」が誕生した、というわけだ。

構成●THE DIGEST編集部

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