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バレーボール

男女バレー代表、監督交代でどう変わる?“日本独自のスタイル”を貫く女子には不安の声も

THE DIGEST編集部

2021.10.15

女子は、12年のロンドン五輪で銅メダルを獲得した真鍋氏が5年ぶりに監督に就任した。(C)Getty Images

女子は、12年のロンドン五輪で銅メダルを獲得した真鍋氏が5年ぶりに監督に就任した。(C)Getty Images

 明るい話題が先行する男子と比較し、心配の声が先行するのが女子だ。

 中田久美監督が「エース」と期待を寄せた黒後愛や、東京五輪ではアクシデントに見舞われながらもチームを牽引した古賀紗理那。U20世界選手権で優勝、MVPを受賞した石川真佑といった若い選手たちが台頭し、東京で四大会五輪出場を遂げた荒木絵里香、リオデジャネイロ五輪に続く出場となった島村春世、石井優希といったベテラン勢も揃い、戦力は充実していたにも関わらず、結果は1次リーグ敗退で10位に沈んだ。

 大型化が進み、戦術面も進化を遂げる欧州勢や東京五輪で優勝したアメリカ、準優勝のブラジルが力をつける一方、高さやパワーで劣る日本は独自のスタイルを貫いた。守備力やサーブに関しては世界トップクラスであるのは間違いないが、いまだトスの速さにこだわるスタイルは世界の強豪にははね返されることが多く、中田監督の責任だけでなく、日本バレーボール協会の強化体勢に対してもこのまま日本オリジナルを貫くことが正しいのか、不満や疑問の声も多く挙げられていた。
 
 しかしながら、いわばこの危機的状況と言える中、新監督に選出したのは再登板となる眞鍋氏。12年のロンドン五輪で銅メダルを獲得した実績、手腕、マネジメント能力は申し分なく、火中の栗を拾うと言うべき状況を収められるのは確かに眞鍋氏しかいないだろう。だが、復活のために何から着手すべきかを議論されていたかと言えば、選考に透明性があったとは言い難い。ブラン氏を招聘し、劇的な進化を遂げた男子にならい、女子も外国人指導者を含め、どんな監督が望ましいか。もっと議論があってよかったのではないかという声も少なくない。

 とはいえ、Vリーグのヴィクトリーナ姫路のオーナーでもあった眞鍋氏は、Vリーグを含めた日本のバレーボール事情や戦力も把握しており、更なる新戦力が抜擢されることや、選手に応じた戦術が為されるのではないかという期待もある。眞鍋氏が掲げる「オールジャパン」を真の意味で遂行し、眞鍋氏が持つ優れたマネジメント能力や、情報収集能力をどれだけ生かせるか。バレーボール協会を筆頭に、日本バレーボール界の本気が問われるのは間違いない。

構成●THE DIGEST編集部
 

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