結果を残したことで、高い評価を受けることになった角田だが、彼はアメリカでドライビングに対する自信を掴んだだけでなく、今後のレースに向けて重要な収穫を得たようだ。先週末の前半は車のペース不足に苦しみ、「リアの問題があり、高速ではアンダーステアになりました」と明かしたものの、予選でこれを改善して予想外のQ３進出を果たすと、決勝でも安定したドライビングとレース運びを披露した。
  「エンジニアとともにセットアップに取り組み、良い結果で車をフィニッシュラインに導けました」と振り返る彼は、チーム内部でのコミュニケーションも改善されたと語る。特に彼の担当エンジニアであるイタリア人のスピーニとは、より良い仕事をするためのベースが出来上がったとして、「良い進化を遂げた」としている（『MOTORSPORT TOTAL.COM』より）。

　ちなみにアメリカGPでは、自身のペースを守って力強い走りを見せ、終盤に入るところでは元世界王者キミ・ライコネンと熾烈な戦いを展開したが、ここにハミルトンの猛追を受けるマックス・フェルスタッペンが割り込み、なかなか追い抜けなかったことで、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は後に「角田、その後のミック・シューマッハーによってマックスは勝利を失うかもしれないと思った」と振り返っている。安定した角田は、周回遅れといえども、マックスにとっても簡単に攻略できない存在だったようだ。

構成●THE DIGEST編集部