ただ、チーフ・レースエンジニアのジョナサン・エッドルスは「FPでは競争力があり、両方のドライバーにとって非常に良かったと思うが、ロングランではタイヤにとってややチャレンジングだったので、明日に向けてまだやるべきことがある」と慎重な見解を示した。

　また、ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターも「パフォーマンスアップのためにはまだまだやるべきことがある」と満足していないが、ホンダ公式サイトはレッドブルとアルファタウリの４台がトップ10入りしたことを喜び、「角田も好調な走りを見せた」と伝えた。

　21歳の日本人選手の好スタートに、各国のメディアも反応し、英国公共放送『BBC』は「角田がペレスを上回った」と報じたほか、専門サイトでもオランダの『RN365』が「ガスリーとともに、角田も競争力のあるところを見せ、心強い初日となった」、同じくオランダの『nu.nl』は「アルファタウリは全体的にうまくいき、角田もFP１で５番手につけた」と絶賛。

　さらに英国の『THE RACE』は「チャンピオンシップ５位争いのライバルであるアルピーヌを追い抜くことを目指すアルファタウリの力強い金曜日を、角田は７番手（FP２）で終えた」とレポートした。 　一方、イタリアの『MOTORIONLINE』は「角田とアルファタウリは素晴らしかった。見る者に感銘を与えたガスリーにさほど遅れをとらず、いずれのセッションでもトップ10に留まった」と評価しながら、「チームのチャンピオンシップ５位を助けるためにも、彼はこの素晴らしい結果を予選でも繰り返さなければならない」と、ルーキーにとっての今後の大きな課題も挙げている。

　チャンピオンシップの５位争いについて、今GP開幕前にガスリーは「もちろん、ユウキがポイントを獲得することが重要だ」と語っていた（専門メディア『sport.de』より）。「F１の最初のシーズンで、チームのチャンピオンシップにおける重要な争いに直接関与するのは簡単なことではないが、彼はここ数レースで改善された。残りの３戦で彼がうまくやると僕は確信している」とチームメイトから期待を寄せられた角田は、真価を問われる中東での３レースでいかなる結果を残すことができるか、要注目だ。

構成●THE DIGEST編集部