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バレーボール

春高バレー高知決勝で、約15年ぶりに元Vリーグ監督同士による「名将対決」が実現

北野正樹

2021.11.22

ベンチに戻った選手に助言する一柳昇総監督 写真:北野正樹

ベンチに戻った選手に助言する一柳昇総監督 写真:北野正樹

 試合中は、一柳がベンチにどっしりと腰かけて戦況を見つめ、ベンチに戻る選手に時折、アドバイスを送るなど「静」を貫いたのに対し、達川はチャンスで大きな声で「攻めろ」「行け、行け!」と声を掛け「動」で選手を鼓舞するなど、Vリーグ当時同様に対照的な姿だった。

 試合後は、一柳が相手ベンチの達川のもとに歩み寄り握手。コート脇でも互いの健闘を讃え合った。一柳は「春から指導を始めて、ここまでチームを仕上げたのは、さすがタッチャン。2セット目を取られた時は、やられるかと思った。チームに勢いをつけるのが上手い」と、新しい環境で基礎から教えなければいけない高校生を決勝の舞台まで導いた達川の指導力を評価。達川は「選手はよくやってくれた。負けたのは僕のミス」と、厳しい練習にも耐え抜いた選手をねぎらった。

 高知の日高監督は「粘り強い。チームの作り方をわかっていらっしゃる」と達川を語り、一柳について「体の使い方などを具体的に選手に指導するなど、理論家。ここという時のアドバイスも的確で、勉強になることばかり」と感謝する。

「達川さんを信じて、ここまでやって来てよかった。チームを立て直してもらって、感謝しかありません」と、高知中央の東久保栞希主将。「監督」でなく、「達川さん」と呼ぶのは、選手と監督との距離感の表れだろう。
 
「高校生のバレーは、面白くて、怖い」。Vリーグの高いレベルで指導を続け、バルセロナ五輪女子日本代表のコーチを務め、女子代表監督の候補にも上った達川の、高校指導者1年目の感想だ。

 総監督の一柳同様に、達川にも後進の指導も大きな仕事になる。それは高知県だけでなく全国のバレーボールの強化・普及にもつながる。

 間もなく古希を迎える2人の名将から目を離せない。

 大会は22年1月5日から9日まで、東京体育館で開かれる。

文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。
 

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