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格闘技・プロレス

異例のUWFルールを実現させたスターダム。UFCも闘った朱里が披露した“魅せるプロレス”と「魂」の充実ぶり

橋本宗洋

2021.11.29

小波(右)を破って赤いベルトへの挑戦権を維持した朱里(左)。いよいよ、王者・林下と決着をつける時がきた。写真:徳原隆元

小波(右)を破って赤いベルトへの挑戦権を維持した朱里(左)。いよいよ、王者・林下と決着をつける時がきた。写真:徳原隆元

 先の5★STAR GPで負けた相手に借りを返した。これで心おきなく林下戦に集中することができる。メインマッチ後のリング上に登場した朱里は、しっかりと王者と堅い握手をかわした。この2人に遺恨や乱闘劇は不要だ。正々堂々、実力をぶつけ合うのみ。団体最高峰の“赤いベルト”をかけた闘いにはそれがふさわしい。

 6月の対戦では引き分けでベルトを逃し、朱里は大号泣している。そこから説得力のある勝利を重ね、今回はUWFルールという形で自身の能力を見せつけた。もともとスターダム所属となったのも、赤いベルトを獲る覚悟を示すため。いよいよ機は熟したと言っていい。

 だが、林下も防衛戦のたびに評価を高めている。ラリアットなどシンプルな技で観客の目を奪う闘いぶりは、デビュー3年あまりながら風格すら感じさせる。今の朱里でさえも、そう簡単には勝てないだろうと思わせるだけのものがあるのだ。
 どれだけ闘っても、どちらも一歩も引かない。では決着をつけるためには何が必要なのか。林下は「魂」だと語った。両国での闘いは、これまで以上に激しいものになる。どちらも肉体と精神の限界を超えるだろう。おそらく意識も飛ぶような極限の状態で、どれだけ“魂”で闘えるかどうかが問われる。

 そして、そういう勝負にめっぽう強いのも朱里だ。13年のキャリア、ハッスルやルチャや立ち技格闘技、MMAあらゆる舞台であらゆる経験をしてきた。魂の闘いで遅れをとるつもりはないだろう。11.27代々木大会の充実は、スターダムのさらなる高みを予感させるものでもあった。

取材・文●橋本宗洋
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