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フィギュア

宇野昌磨、シルバーコレクター脱却への決意。世界一に「なれたら嬉しい」という”甘さ”を捨てて

沢田聡子

2021.12.22

 今季のフリー『ボレロ』には、宇野の向上心が現れている。平昌五輪シーズンを最後に封印していた4回転ループを含む4種類5本の4回転を組み込んだのは、ランビエールコーチとのやり取りがあったからだ。「君が世界一になるには何が必要だと思う?」というランビエールコーチの問いかけに対する宇野の答えは「ジャンプ」だった。

「スケートはすべての要素があって成り立っている、というのは自覚しているのですが、最近の傾向や点数の出方を見ると、『ネイサン・チェン選手がいる限り、やはりジャンプを跳ばないと、2位・3位狙いはできたとしても1位は無理だ』と思いました。たとえその結果4位・5位になっても、1位を目指すためには、リスクを背負って試合に挑まなければいけない」

 その覚悟は、今季試合に出場するごとに形になりつつある。初戦のジャパンオープン、2戦目のスケートアメリカでは4回転ループ、4回転サルコウを完璧には決められなかったが、3戦目のNHK杯ではどちらも加点のつく出来栄えで成功させている。ただNHK杯では後半の4回転フリップが2回転になるミスが出ており、前半の挑戦的なジャンプが決まったからこその難しさにも向き合う結果となった。ただ、それは前進の過程でしかない。
 
 平昌五輪前と現在の心境の違いを問われ、宇野は次のように答えている。

「その時までは、自分のやれることをやって『(世界一に)なれたらいいな、嬉しいな』という気持ちでしたけれども、今は『なれたら嬉しいな』というより『なれるような練習をしていこう』という考えですね。目標じゃないですけど『ここが自分の限界』と決めずに、どんどん先を見据えて成長していきたいという意志が、今はあるのかなと思います」

「世界一を目指す」、その目標にふさわしい練習を積みたいという強い意志が、宇野を前へと進ませる。

取材・文●沢田聡子

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