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石川佳純の連覇か、伊藤美誠のリベンジか、それとも…白熱必至の全日本卓球女子シングルスを大展望!

佐藤俊

2022.01.23

 石川の連覇に待ったをかける一番手は、やはり伊藤だ。

 東京五輪では水谷隼との混合ダブルスで金メダルを手にし、女子シングルスでは銅メダルを獲得するなど、大活躍だった。少しの休暇を取った後は、中国対策として基礎練習に加えて多彩なサーブを磨き、フットワークとスピードの向上につとめてきた。

 昨年11月の世界選手権は、「中国人選手を倒して金メダル」と断言するほど自信を持って挑んだ。しかし、シングルス準々決勝で世界10位の王芸迪(中国)に4-1で敗退し、悲願の金メダルには届かなかった。また、早田と組んだ女子ダブルスは決勝に進出したものの、孫穎莎/王曼昱(中国)に敗れ、伊藤にとっては悔しいだけの大会となった。

 負けはしたが、サービスエース、レシーブエースをしっかりと取れるようになり、さらにラリーの強さも増している。1歩1歩だが、着実に中国のトップクラスに近づいている感がある。
 
 伊藤はすでに4月の世界卓球へ出場内定を決めており、その前の日本選手権で弾みをつけるのが理想的だ。また、第4ブロックに入っている今大会は難敵が見当たらず、順当にいけば準決勝で第3ブロックの平野と対戦することになるだろう。

 平野とは、2019年にジャパントップ12を始め、シングルスで4度対戦しているが、すべて伊藤が勝利している。敗れたのは、16年シーマスター女子W杯に溯ることになるが、伊藤も優勝を目指すのに、この準決勝が一つの山になるだろう。

 仮に伊藤と石川が決勝に進出した場合、昨年と同じファイナルになる。

 激戦となった昨年は一時、伊藤がゲームカウント3-1で石川を追い詰めた。しかし、その後3ゲームを連取されて逆転負け。そのときに流した悔し涙はまだ忘れておらず、リベンジへ向けて、世界選手権後も休まずに心技体を磨いてきた。油断せずに、いつもの自分の動きと技術を出していけば、必然的に優勝は見えてくるだろう。

 石川が連覇を達成するのか、伊藤、早田、平野がくるのか、それとも他の誰かが賜杯を制するのか。いずれにもしても、今大会の勝者がパリ五輪への第1歩を踏み出すことになる。

文●佐藤俊(スポーツライター)

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