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格闘技・プロレス

お嬢様学校から銀行員、そしてプロレスラーに。才女・雪妃真矢はなぜリングを目指したのか?「何事も常に挑戦の思いで」

萩原孝弘

2022.03.04

 人並みならぬ努力で一歩ずつ階段を登っていき、何本ものベルトを腰に巻くトップレスラーへと成長していった。そのなかで転機となったのは、2016年にOZアカデミーの協力もあって開催された7番勝負の死闘と、雪妃魔矢の誕生だ。

 7番勝負では豊田真奈美、尾崎魔弓、ダイナマイト関西、木村響子、松本浩代、世羅りさ、高橋奈七永と7人のビッグネームたちの胸を借り、3月12日から大晦日までの長期に渡り戦い抜いた。ここで雪妃は「恐怖のなかでの先輩方との戦いは、弱い部分、ダメな部分をさらけ出して乗り越える自分との戦いでした」と、己に打ち勝つ術を学んだ。

 そして、「尾崎魔弓選手との出逢いは自分を“解放”することに繋がりました」と本人が言うように、対戦後にヒールユニット“正危軍”への誘いも彼女の人生を変えた。黒のコスチュームに一本鞭を駆使する別人格“雪妃魔矢”が誕生し、自己表現力が格段と増したのである。

 当の本人は、「タイトルマッチは勿論、沢山の試合を重ねさせてもらった全ての対戦相手のお陰です。自分の努力じゃないです」と謙遜する。だが、銀行員だったはずの雪妃は、いつのまにかアイスリボンやOZアカデミーで何本ものベルトを巻くトップレスラーへと成長していた。
 

 業界でも名の知れた存在となった彼女は、昨年末にデビューの場であったアイスリボンを退団。「活動の幅を広げられるように」と、フリーランスへの転身を表明した。

 年が明けた1月3日、フリーとしての初陣は、「DDTを知らなければプロレスの世界を知ることは無かったですし、プロレスラーになる事も無かったと思います」と明言する“ドラマチック・ドリーム・チーム”のリングだった。そして、雪妃は男子の中で遜色ない強さを魅せる紅一点、赤井沙希にロックオン。3月20日の両国でもビッグマッチでのシングルを実現させるに至った。

 憧れだった両国の大舞台に立つ。雪妃は目を輝かせて、こう語る。

「DDTの両国大会という大舞台で、有名選手である赤井沙希選手と戦わせて頂くことをとても光栄に思います。育ててくれた先輩方や団体を失望させたくない、何より自分に失望したくないので、培ったものをしっかりと発揮したいですね」
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