専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
バレーボール

バレーボール協会の新会長に川合俊一就任へ!組織改革や財務改善など課題は山積も期待されるものは?

北野正樹

2022.03.17

 そんな川合氏に求められるものは、まず地に落ちた信用の回復だ。

 JVAビーチバレー事業本部が国際大会のキャンセル手続きに関連し、選手の診断書を偽造し国際バレーボール連盟に提出していた問題から発覚した今回の不祥事。JVAは偽装を知りながら隠ぺいにも関わった嶋岡会長(当時)の代表理事会長職を解職するとともに、理事について辞任勧告処分、兼務するマーケティング事業本部長の解任を決め、高野和弘事務局長(同)も業務執行理事の解職、理事の辞職勧告処分を受け、いずれも辞職に追い込まれた。

 川合氏は、会社経営とともに、トヨタ自動車ビーチバレー部のGMなどを務め、組織のガバナンスやコンプライアンスについて理解は深く、JVA事務局の組織改革、意識改革にはうってつけの人物だ。JVA内部の状況を十分に把握したうえで、着手するものと見られる。また、会長専従は難しいため、改革には右腕となって働く腹心の部下の存在も不可欠になる。

 さらに、大きな問題がJVAの財政基盤の確立だ。これまで、前男子代表監督の不祥事では、多くのVリーグ関係者や高体連のほか、加盟団体ではないママさんバレーの関係者から、日本代表監督としての資質を問う声が上がっていた。

 しかし、続投を“強硬”して企業側の不信感を招いたのは事実だ。また、メディアとの信頼回復も急務。前監督の不祥事をめぐるJVAの対応や、国際大会の開催などを巡る不信感は根強い。
 

 課題は山積している。そのなかで、川合氏には、組織改革と同時に、マーケティングをしっかりと行ない、情報を集めて関係各所との信頼回復を進め、財務改善につなげる役割が求められる。

 2024年パリ五輪まで時間はない。若さと、バレーを知りバレーに対する情熱があり、メディアとも親交の深い川合氏の手腕に期待したい。

文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。関西運動記者クラブ会友。

【関連記事】「団体として責任重大」バレーボール協会が嶋岡健治会長らを解職。関係者は「組織として崩壊している」と指摘

【関連記事】あバレーボール協会の嶋岡健治会長が、診断書偽造問題で辞意表明。偽造を公表せず「組織を守りたかった。混乱が怖かった」

【関連記事】がん闘病中の東レ・藤井直伸へ、バレー界に広がる“心の支援“の輪

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号