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マラソン・駅伝

コロナ感染で無念の欠場… アフリカ勢にも対抗し得る日本のエース鈴木健吾は、いかなるレースを目指そうとしていたのか?【世界陸上】

酒井政人

2022.07.17

「今回、日本人のなかで勝てたことは僕にとって収穫だったと思っています。でも優勝したエリウド・キプチョゲ選手とは3分近い差がありますし、自己ベストも世界記録と3分以上の差がある。世界と戦うには、その差を少しでも縮めていかなければいけません。自分のレースをしながら少しずつ距離を縮めていきたいなと思っています」

 オレゴンでの世界陸上に向けては、妻・一山麻緒(資生堂)とともに6月8日から米国・アルバカーキで約1か月の高地合宿を敢行。「理想の練習を、ほぼほぼウソなくできて、ここまで来るにあたっては合格です」と順調にトレーニングを消化していたようだ。
 
 現地での直前会見では、「強い世界の選手にチャレンジできる場なので、積極的にいきたい。表彰台が理想だけど、謙虚に入賞を目標にしていきたいです」とコメント。以前に目標は「東京五輪の大迫さんを上回ること」と話しており、大迫傑の6位を上回り、「メダル」に近づくことをターゲットにしていた。2013年以来、世界陸上における日本勢の入賞はない。だが、鈴木であれば、入賞ラインを目指して後方から上げていくのではなく、トップ集団に食らいつくようなレースができていたはずだ。

 現地時間の朝6時15分スタートということもあり、気温は20度以下となる見込みで、世界陸上としては涼しいなかでのレースになる可能性が高い。男子マラソンの世界記録保持者で五輪を連覇中のキプチョゲは出場しないが、東アフリカ勢を軸に高速レースになることも十分に考えられる。そこに日本のエースがどこまで対応できるのかが、大きな見どころとなるはずだったのだが……。コロナ感染による欠場は鈴木本人が一番悔しいはず。今は、彼が無事回復することを願いたい。

取材・文●酒井政人

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