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マラソン・駅伝

【箱根駅伝】シード10校を「区間配置」「山対応」「駅伝力」で独自採点!駒澤大に足りなかったのは?

杉園昌之

2022.01.06

大会新記録で圧勝した青山学院大。写真はゴール後の胴上げの様子だ。写真:JMPA

大会新記録で圧勝した青山学院大。写真はゴール後の胴上げの様子だ。写真:JMPA

 青山学院大が2年ぶり6度目の優勝で幕を閉じた「第98回箱根駅伝」。戦国駅伝とも予想されて迎えた今大会だが、蓋を開けてみれば2位順天堂大と10分51秒差と圧勝劇が繰り広げられた。では、各大学の実力差は、どれほどのものだったのか。シード権を獲得した10位までの大学を「区間配置」、「山対応」、「駅伝力」で採点(S、A、B、C、D)し、違いを比較した。

――◆――◆――

1位 青山学院大:総合評価S(区間配置S、山対応S、駅伝力S)

 第98回箱根駅伝は2年ぶり6度目の総合優勝を飾った青山学院大の独壇場となった。往路、復路ともに制し、10時間43分42秒と大会新記録で完全優勝。総合評価は文句なしのSだ。区間配置は的確そのもの。3区から首位を独走し、ミスなく襷をつないだ。3つ(9区、10区は新記録)の区間賞を含む、8区間で5位以内でまとめた安定感は抜群だった。山の対応も5区に抜擢した1年生の若林宏樹が好走し、2位と2分37秒差をつけた。6区からは5人全員が一人旅となったが、ペースを落とさずに復路新記録を更新。あらためて駅伝での強さを示した。「過去最強軍団」と評した原晋監督の言葉も素直にうなずける。

2位 順天堂大:総合評価A(区間配置A、山対応S、駅伝力A)

 大躍進で話題をさらったのは順天堂大。総合優勝した2007年以来、15年ぶりのトップ3入りで、総合評価はSに近いAだ。数少ないマイナス材料は、1区で18位と大きく出遅れ、東京五輪の3000m障害で7位入賞したエースの三浦龍司(2年)も2区で区間11位と持てる力を発揮できなかったこと。3区以降は流れを引き寄せ、復路で猛追撃した駅伝力は圧巻。山下り6区の牧瀬圭斗(4年)と8区の津田将希(4年)は区間賞を獲得した。2人の貯金で後ろから迫る駒澤大からも逃げ切った。
 
3位 駒澤大:総合評価B(区間配置C、山対応B、駅伝力B)

 2連覇を狙った駒澤大は3区の安原太陽(2年)と8区の鈴木芽吹(2年)がブレーキとなり、3位が精いっぱい。前哨戦の全日本大学駅伝を制するなど、期待値が高かっただけに総合評価はB。留学生の集まる2区で区間賞を獲得した田澤廉(3年)が貯金をつくり、不安視された山区間も5区で金子伊吹(2年)が区間4位と健闘するなど、要所で前回王者の強さは見せたが、区間配置に苦しんだ。大八木弘明監督が「私の采配ミス」と認める通り、“凸凹駅伝”になった感は否めない。負傷を抱えていた鈴木を起用せざるを得なかった層の薄さも響いた。
 
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